18.困惑ティアーズ！ ページ18
｢げげっ！いつの間にAそんなに取ってたんだゾ！？｣
｢んー、僕が取ったって言うより……｣
言いながら、斜め後ろを振り向いて手を振る。歓声のようなものが湧き上がり、手を振り返してくれたのを見て、前を向く。
｢あの人たちがくれたんだ。ぜひ食べてくれって｣
｢あ、危なくないの？毒とか…｣
｢ミドルスクールの時からこうだったからあんまり考えたことなかったけど……｣
毒？と首を捻る僕に対して、皆の表情は決して良いとは言えない。
そんな中、1人俯いていたユウちゃんが顔を上げて、僕と目を合わせる。
｢Aさん｣
｢うん？｣
｢危ないから知らない人にご飯を貰っちゃダメです！！！！！｣
それは、監督生の魂の叫びだったとその場にいた者は語る。
困惑する僕の手を弱々しくぎゅっと握って、最後は泣くように懇願してくる。むしろ泣いているかもしれない。
｢お願いだから自分のごど大゛事゛に゛じで｣
｢え、っえ？僕大事にしてなかった？｣
そう聞けば掠れた声で｢してない｣と言われる。
弱々しいことに変わりはないが、先程よりは幾分か強く握られて困る。
そんな僕を見かねたのか、トレイ先輩が口を開く。
｢君はオンボロ……ゴホン、使われてなかった寮の監督生に着任した新入生のユウだろう？｣
｢ケイトに聞いてる。昨日はうちの寮の奴らが迷惑かけて悪かったな｣
｢って、ちゃっかり隣に座ってるし……｣
｢まーまー、せっかく同じ寮に入ったんだから仲良くしよーよ。とりまアドレス交換で〜！｣
ケイト先輩に促され、ポケットからスマホを取り出す。連絡先はほとんど関わったことの無いミドルスクールのクラスメイトたちだけだ。
｢お、おぉう………！？｣
｢あっれ〜？ユウちゃん固まっちゃってる？オッケー、ダイジョブ、リラ〜ックス！｣
先輩の勢いに圧倒されたのか、ユウちゃんがいつも通りに戻る。涙は見えないし、すっかり大丈夫そうだ。
｢あ、もしかしてマジカメとかメッセならいっぱい喋れる系？今度アカ教えてよ♪あ、そういえばAちゃんはマジカメやってないんだっけ。じゃあ今から始めちゃお！｣
｢うぇ、あ、はい。どうぞ｣
ケイト先輩にスマホを渡せば、ものの数分で返ってくる。開きっぱの画面を見れば、僕のマジカメアカウントを作成してくれたようだ。
アイコンがケイト先輩といつ撮ったか覚えてないツーショなのは気にしないでおこう。
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ゆる(プロフ) - ほんとに面白いですね!続きが楽しみです!無理のない程度で更新がんばってください!応援してます! (2023年1月1日 0時) (
レス) @page27 id: 6719ad2600 (このIDを非表示/違反報告)
時雨ですな(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！更新頑張ってください！！ (2021年6月23日 7時) (レス) id: 9e0511f770 (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - つみきさん» ありがとうございます！励みになります、頑張ります！ (2020年6月7日 14時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
つみき - 続編おめでとうございます！お話がすごく好きで、引き込まれます。頑張ってください！ (2020年6月6日 22時) (レス) id: da29838e5a (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - りいなさん» ありがとうございます！更新頻度は下がりつつありますが精一杯頑張ります！ (2020年6月6日 21時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロイミー | 作成日時：2020年6月6日 20時
