月がきれい。[ Ren.M ] (ページ22)

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蓮 side

沢山いるファンに観てますと言われるより

たった1人の好きな人に

観てると言われることが嬉しい。

そんなこと思うのは
アイドルとして良くないことは分かってるけど

1人の男として嬉しい。

｢めめぇー、おはよ！｣
謎に朝からテンション高いラウール。

｢おはよ｣
｢今日も幼なじみさんとやり取りしてたの？｣

昨日電話してたせいで

返信遅くない？と言われ
Aのことをちょっとだけ話した。

｢まぁ、うん｣
｢いいなぁ、異性の幼なじみとか。｣
｢そうか？｣
｢絶対めめのこと好きじゃん｣
｢それはない｣

｢分かんないぞー、めめ｣
会話を聞いてた佐久間くん。

｢幼なじみって1番俺が好きな設定だからなぁ、
もう恋仲としては最高！｣
勝手に盛り上がってる佐久間くん。

｢だよねぇー、めっちゃいい！｣
乗っかるラウール。

｢そういうのじゃないから｣

というと

｢えぇーつまんないのー｣

と言われた。

そういうのじゃない

Aがそう言うんだから

そうなんだ。

｢めめは好きなの？その人｣
盛り上がってる2人に聞こえないように
聞いてきた阿部ちゃん。

｢うん、めちゃくちゃ｣
｢そっか、じゃあ頑張れ｣

阿部ちゃんはそう言ってニコッと笑った。

俺は

Aが好きだ、めちゃくちゃ。

だから

毎日連絡したいし

すぐ返信したいし

電話だって何時間でもしたい。

でも1番したくて出来ないのは

会うことだけ。