美青年は酸素 ページ2
時刻は十一時頃。
部屋の中に誰かがゆっくりと入ってきた。
窓辺からは上弦の月の青白い光が差し込み、童子切の横顔をより儚く見せた。
そよ風が吹き、童子切の髪と青年の空色の髪を優しく靡く。
因みに童子切の髪は、左右に半分にずつ色が分かれている。
右側は漆黒で、鴉の濡羽色の髪だ。
左側は雪よりも白い透き通った白色である。
だがどちらも毛先が青みを帯びており、右側は晴天を、左側は星月夜を思わせた。
どちらも天使の輪のようなツヤがあり、傷など見当たらないほど美しい髪をしている。
青年は童子切の肩につかないか位の髪を一束掬った。
絹のようなさらさらした髪は、重力に従いしゃらしゃらと落ちていく。
残った髪を口元へ持ってきては、優しく口付けする。
青年は童子切の胸に顔を埋めると、何かぶつぶつと呟いた。
そしてゆっくりと離れて己の額と相手の額をあわせた。
「もう少し、もう少し待ってください。
………貴方はまだ、目覚めちゃいけない。」
そう苦しそうに吐き出し、額にわざとらしいリップ音を立乍ら口付けをする。
そっと開いた蜂蜜色の瞳は、熱を帯びながらも何処か狂気を感じさせた。
青年＿＿＿＿＿＿否、一期一振は童子切安綱を酷く依存していた。
例えるなら、彼にとってあの美青年は酸素のような、無くてはならないものなのである。
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欝魏 - とても素敵な作品です。 (2020年4月24日 22時) (
レス) id: 9689208d3b (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 影さん» はい、その曲をイメージして書きました。良いですよねボカロ。 (2018年10月6日 18時) (レス) id: 11fd4bd825 (このIDを非表示/違反報告)
影(プロフ) - だれかのの心臓になれたならを思い出した！ボカロはやっぱいいね (2018年10月6日 14時) (レス) id: 026253e74c (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 匿名希望さん» あたちはあいちてゆ(ドヤァ) (2018年9月30日 11時) (レス) id: 11fd4bd825 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - 好きです(唐突) (2018年9月30日 2時) (レス) id: 21ce6e7c67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アヤ | 作成日時：2018年9月6日 18時
