二人が一緒に歩く方法【YG】 (ページ29)

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YG-5 ページ29

取り寄せてもらった機材を受け取りに来たのは、いつだったか？って思い出すのも難しいくらい、久しぶりに会ってるはずなんだけど、Aは昨日会ったよね、て勢いで自然に俺に話しかけてくる。

「挨拶がなってないって俺に言ってたのだれだよ。今、ちゃんとしたじゃん」

『儲かってるかなんて挨拶をタイムリーにするから、こうなるんじゃん。そっちが考えて』

「オー、ずいぶん上から…」

いつもの応酬だな、と嬉しくなって少し笑うと、Aが俺をまっすぐ見て、愛しさを隠しもせずにはにかむのを見た。

俺は、その瞬間、きっと馬鹿みたいな顔をしたと思う。

何をしに、何を買おうと思ってきたのかなんて、吹っ飛ぶくらいの衝撃があって、気が付いたらAに手を伸ばしていた。

Aは、ちょっと驚いたようにその手と、俺の顔を見比べて、くすぐったそうに笑って、

『握手？』

なんて聞くから、俺の足は一歩を踏み出して、そのままその、頬に。

逃げない。

なんで？

『どうしたの？』

「どうしたじゃない、お前がどうしただよ」

『…何かついてた？』

「顔」

ふ、と笑うA。

つまんねー冗談だったと思うんだけど。

俺が触れることを許したまま、Aは俺から目をそらさない。

こんなこと、未練がましい男の馬鹿な発言だって、思うけど。

一応、確認。

「お前、俺のことまだ好きなの？」