俺で君を奏でる方法【YG】 (ページ7)

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YG「て言うか、誰もこないな、この店大丈夫？」

ようやく手慰みが終わったのか、ギターを置いて

YG「そのコーヒー持ってきて」

と私を顎で使ってきた。

動く元気も無いのかな、と私は不満も言わず、ユンギのコーヒーを手に取ると、ソファの前まで歩いていく。

『あのね、開店1番目に楽器屋なんて、誰が来るの』

そう。

なんとまだ開店直後の10時半。

大体お客が入ってくるのは昼前からで、夜は夜で地下に楽器を試せる防音スタジオがあり、練習用に時間貸しもしているので、それ目当てのお客さんが結構くる。

『そもそもユンギはなんでこんな時間…あ、まさか…』

YG「あたり。今日ほんとに寝てない。寝たら起きられないから、そしたらここに来れないから、退社してからそんまま来た」

やっぱり。

『ヤーほんと、アイドルって、人間ができる仕事じゃないわぁ』

YG「俺、人間やめた覚え、無いんですけど…」

アハ、とやけくそにかわいく笑って顔を上げたから、私もつられて笑って見下ろした。