俺で君を奏でる方法【YG】 (ページ12)

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『あー、地下の防音スタジオのセキュリティきるから、そっち行く？』

YG「あはははははは。Aなに、そんななの？そんなしたい？」

その嬉しそうな声に、勇気を出して顔から手をどけて、ユンギの顔をもう一度見下ろす。

全開で笑ってる。

ああ、ほんと。

好き。

本音を言うと、

ずっと好きだった。

『めちゃくちゃしたいよ』

私の本気が伝わるように、目をそらさずにそう言った。

ユンギは笑顔をすとんと落として、アー、と無意味に呟いてから、視線がうろうろとあっちこっちに行った後、立ち上がった。

私の手を取ったまま。

YG「つうか、Aは俺でいいの？」

『いいよ。いい。て言うか、そっちこそ、ほんと、いいのかな、こんな普通の人みたいに誘って』

て言っても私には、トップアーティストにどんな誘い方が適切なのかも分からないけど。

とりあえずユンギに握られてる手を、私からつなぎ直して、背を向けて引っ張る。

防音スタジオの位置はお互い知ってるから、手を引く必要はなかったんだけど、そうしたかった。

YG「あー、うん。いい」

ユンギの顔は見えないけど、その足取りは軽くて、全然引っ張ってる感じがしない。

YG「ありがたいよ」

ぽつりと呟いた言葉が、

何故か重たくて、

いつまでも耳に残った。