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それから気が早いけど、連絡を待ち侘びてるだろうジンヒョンに、無事に部屋に連れて行ったとカトクを送る。
そしたら即レスで、
《早くこっち来て。コンビニ徒歩5分》
と返ってきた。
でも、俺はなんだかもう外に行くのが面倒になってしまって、ヒョンにコンビニで買ってきて欲しいリストを簡単に送ることにした。
《この後すぐ寝るかもだから、出てこなかったらドアに掛けて下さい》
送信。
ヒョンからの返事を待たずに、ズボンのポケットに仕舞った。
目を閉じている彼女を見ると、暗がりの中でもその表情はあまり具合が良さそうじゃない。
背中におぶっていた時も、感じる体温は酔っている人にしては、ひどく冷たかった。
「あの、大丈夫ですか?」
少しだけ、心配になって声をかけた。
「俺もう行くけど、ホテルの人呼びましょうか?」
返事が無いので、極力やさしく肩をゆすってみると、彼女の寄せられていた眉がさらに深く、ぎゅぎゅぎゅっと寄っていく。
やめて、といいたげな唇は、明るい場所でみた時は白くなっていたなと思ってたら。
ふわ、と
肩に置いていた手を握られた。
その手が触れた瞬間、
じゅん、
とスポンジが水を吐き出すような、
湿度のある感覚が、
触れている彼女の手から俺の腰に向かって、
走り抜けた。
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作者名:フネ55 | 作成日時:2022年11月28日 0時