２０ 廉side ページ20
今がチャンスだ、と思った。
寂しいと口にする海人の手をとると、海人は不思議そうにこっちを見てきた。
その吸い込まれそうな目を直視できず、つい逸らしてしまう。
廉「あのな…海人。
俺な、海人の事、好きやで。
その…恋愛的な意味で。」
意を決して海人の目をそっと見る。
廉「ずっと好きやった。
その…寂しい時は頼ってほしいし、どんな海人も受け入れるから…だから。俺をそういう対象として見てほしい。」
海人は目を見開いて驚いた顔をしている。
海「れん…ありがとう。
俺、廉に嫌われてるかと…軽蔑されてると思ってたから…すごく嬉しい。」
海人ははにかんでふわっと花が綻ぶように笑った。
それは俺が好きな海人の笑顔だ。
やっとで言えた。
誤解も解けたみたいやし、ちゃんと海人にも伝わった。
俺は少し晴れやかな気持ちになった…のに。
海人は、パジャマの袖から少しだけ出た指先を俺の肩と太ももに添えて、顔を近づけてきた。
至近距離で見る、伏し目がちの長いまつ毛、ツンと尖った柔らかそうな上唇。
こんなん…ダメやって。
俺は海人の肩をそっと押す。
廉「海人っ…俺はお前の嫌がることはせぇへんし、どんなお前でも軽蔑したり嫌いになるなんて事はない。」
廉「やけど、今のお前にキスしたり……抱くことだけは…できん。」
海「れん…なんで…。」
廉「そういう事は好き同士がするもんやから。」
海「俺、廉のこと…好きだよ。」
廉「お前の好きは違うねん。
好きっていうのはそんな簡単な事やない。」
海人の両手を包む、この気持ちが伝わってくれたらいいと願いを込める。
廉「やから、ゆっくりでいいから、お前のことちゃんと見てるから、俺のこと、いつか本当の意味で好きになってほしいって思ってる。
俺がおるってこと、忘れんとってほしい。」
海「うん…わかった。」
廉「今まで通り、俺に甘えてきてええし、甘えてほしいと思ってる。」
海「そう言ってもらえると、嬉しい。」
海人は迷子みたいに目を彷徨わせてるけど、嫌悪感はないみたいや。
こいつ、俺の想像よりずっと手強いやん。
廉「じゃあ、もう寝ようか。」
そう言って、海人をベッドに寝かせた。
キスくらいしておけば良かったかなぁーなんて思いながら、俺もソファに沈む。
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Calckakkii2(プロフ) - この話好きすぎてこれでもう3回読み返します…よろしければまたしょうかいのお話読みたいです！ (2020年5月18日 21時) (
レス) id: f8a4e793a3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - やっぱり何度読んでも面白いです！続編、新作などのこさんの描くもの何でも読みたいです！ (2020年5月11日 7時) (レス) id: 60d775cbe8 (このIDを非表示/違反報告)
のこ(プロフ) - Annさん» ありがとうございますー！小悪魔かい私も大好きです！長くなっちゃいましたが、また思い出して読んでください笑！ (2019年7月14日 22時) (レス) id: e9d59d8006 (このIDを非表示/違反報告)
のこ(プロフ) - ゆんさん» 私の妄想楽しんでいただけたようで光栄です！廉担さんには申し訳ないです…！パロディでよければ他の作品も是非読んでみてください(^ ^) (2019年7月14日 22時) (レス) id: e9d59d8006 (このIDを非表示/違反報告)
Ann(プロフ) - のこちゃんお疲れ様でした〜〜素敵な作品を作ってくれてホントにありがとうございます〜小悪魔なかいちゃん大好きです！！多分この作品をもう一度読みます。ホントに大好きです！！ (2019年7月3日 12時) (レス) id: 7b21c62c80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のこ | 作成日時：2019年5月16日 15時
