マフィアなWESTさん５【JW】

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普段ならシャワーを浴びて、
ぬめついた血や
あの空間にこびりついた生臭い匂いを落として
すぐにでも眠るのに、その日は少し違った。

シャワールームから自室に戻る廊下の間にある
部屋のドアが少し空いていて、
中から明かりが漏れていた。



そこは、ノゾムの部屋だった。





　


……電気、つけっぱなしやんか。

消さんとカミちゃんに怒られんで、と小さく呟き、
空いた扉から音を立てないように中に入る。


案の定、ノゾムは口をぽかんと
大きく開けて眠りに入っていた。

危機感なんて微塵も感じられない呑気な寝顔に
思わずふっと笑みがこぼれる。



ベッド脇の椅子に腰かけて、
しばらくノゾムの寝顔を眺めていた。

そうしていてどれくらい時間が経っただろう。



＿＿＿無意識に。

本当に無意識に。


目がノゾムの“器官”を一つ一つゆっくりとなぞり、
先程行った拷問の手順と重ね合わせてしまっていた。



ノゾムの、爪。

ノゾムの、指。

ノゾムの、歯、鼻、眼球。


最後に、首の、動脈。



起こさないように、白い首筋にそっと触れた。

どくどくと、血が流れている感覚が伝わってくる。



ノゾムの設計も、俺がさっき殺した“ヒト”と同じだ。

少しいじれば、簡単に壊れる。


簡単に壊れる、簡単に崩れる、

簡単に死ぬ、簡単に殺せる、簡単に、簡単に、


ほら、こうやって動脈を少し引っ搔けば＿＿＿＿

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