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黄「小瀧さん！？どうしたん！？」
桃「わ、から……足、動か…ん…」
ぴくぴくと軽く体を痙攣させて、
舌もおぼつかない様子で話す小瀧さん。
恐怖からくる体の反応じゃない、
まるで何か薬を入れられたような＿＿
橙「＿＿ワイン」
黄「え？」
橙「小瀧さん、出されたワイン飲んでた…。
もしかしてそれに何か入ってたんちゃうかな」
それが本当だとしたら。
神山さんは、本当に誰一人として
逃がすつもりはない。
念には念を、逃げられても
後で必ず仕留められるように＿＿
黄「…っ、照史、
とりあえず二人で抱きかかえて＿＿」
小瀧さんを抱き上げようと伸ばした手を、
弱弱しくも振り払われた。
彼は震えながらも確かな声で「行って」と口に出す。
桃「逃げ…て、いいから、置いてって」
黄「な…できるわけないやんか！」
桃「いいから！！」
「俺が足を引っ張って二人が危険にさらされたら、
それこそ死ぬより後悔する」と彼は泣きながら言う。
桃「お願い、やから、置いてって、二人は逃げて…」
＿＿＿＿遠くから、ドアが開く音がした。
おそらく俺たちがここへ通り抜ける際に
使ったドアだ。
神山さんが、こちらへ近づいている。
桃「早く！行って！！
…お願い、逃げて、二人だけでも…っ！」
決断できない。
照史も俺と同じようで、
眉を下げてただ立ちすくんでいる。
黄「できへん、そんなん…決められへん」
桃「…じゃあ、俺を救うために今は逃げて…！
逃げて、応援を呼んで…助けに来てください。
…絶対また会いましょう」
黄「小瀧さん……」
照史が、唇を噛んで呟く。
橙「……ごめん、ほんまにごめん……」
せめて神山さんから見つからないように、と
小瀧さんを抱きかかえ、
いくつかある部屋の一つに入れる。
どうか、どうか見つかりませんように。
ドアにもたれる小瀧さんに、
「無事でおって」と抱きしめると、
「中間さんも」と弱弱しく返される。
このドアが、俺たちが次に開けるまで
二度と開かれることのないように。
お願い神様、この子を守ってあげてください＿＿＿
そう願いながら、ドアを閉めた。
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豆乳もち(プロフ) - 最近『シビュラ』という曲にハマったんですけど、歌詞がどこかで見たことあるな〜って思ったら2年前くらいに読んだこの作品でした。曲を聴く前と聴いた後で読むのではまた違った面白さがありました！情景や発言に歌詞が散りばめられていて感動しました！ (7月9日 16時) (
レス) id: c565488b09 (このIDを非表示/違反報告)
梅子(プロフ) - 緑翠 @かぁさん» ありがとうございます〜〜！！どの言葉も嬉しすぎます書いて良かったです^ ^ただグロいだけじゃなくて神山さんのある種神聖な綺麗さは丁寧に書こう...！と思っていたのでドンピシャで読み取ってくださりとっても興奮していますありがとうございます！！ (2021年3月1日 11時) (レス) id: 15f3f2738e (このIDを非表示/違反報告)
緑翠 @かぁ(プロフ) - すっっっっっごい面白かったです…！！まるで一本の映画を見終わった時みたいな…。残酷ですがとても儚いような…これから赤色さんはどうするのか…とか色々気になってしまいます。素敵な作品を読ませて頂き、ありがとうございました。 (2021年2月26日 23時) (レス) id: 57d00871fa (このIDを非表示/違反報告)
梅子(プロフ) - 麗さん» ありがとうございます〜！藤井さんと�霤弔気鵑砲録修渓�なさしかありませんがそう言っていただけて嬉しいです！(笑) (2021年2月18日 16時) (レス) id: 026a6b186c (このIDを非表示/違反報告)
梅子(プロフ) - ひかるさん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！わああ凄く嬉しいですこれからも頑張ります（ ; ; ）！！ (2021年2月18日 16時) (レス) id: 026a6b186c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梅子
| 作成日時：2020年11月25日 18時
