住む世界が違うなりの出来ること ページ24
「――・・・・総悟は、そうは思っちゃいねェだろ」
「・・思ってますよ。・・・・大丈夫です、気なんか遣わなくたって」
「別に俺ァ、」「――わかってますから」
「あァ?」
私の強い口調に、土方さんは怪訝そうな顔をした。――でも、わかっているのだ、私は。多分。
「私と沖田さんは住む世界が違うんです。それはきっと、沖田さんもそう思ってます」
だって私は、命を危険に晒すことなんてないんだから。只々普通の町娘なんだから。
それは、相手のことをどれだけ身近に感じていたって、ひっくり返しようのない事実なんだから。・・だけど。
「――・・でも、住む世界が違くても。・・・一緒に過ごすことは出来るんです。笑い合ったり、惚れ合ったり。
・・・・私だって、違う世界を生きる沖田さんを受け入れることくらいは、出来ます」
遠慮なしで、言いたい事を言って。怒っていることをぶつけて。沖田さんその人を受け入れることくらい、私にもできる。――沖田さんにだって、私自身を受け入れてもらっている。
「・・・“死ぬほど心配した”って・・“心配かけたくないからって何も言わないのはやめて”って――泣いて怒ってやるんです、沖田さんが目覚めたら」
言った私を土方さんが無言で見つめており。
「――――だから今は、泣いてなんかいられませんね。」
・・涙、沖田さんに怒る時のためにとっておかないと、と続けた私。そこで我慢の限界だったのか、土方さんが小さく笑い。
「・・・・こりゃ、総悟もとんでもない女に捕まったもんだ」
「失礼ですよ、土方さん」
「そりゃすまねェな」
んじゃ総悟は頼んだぞ、なんて。
――土方さんの背中が病院の廊下に消えていき・・、・・・・病室内には、私と沖田さんのみとなったのだった。
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みずき - 文の構成力とか内容の面白さとか........本当に素晴らしいです!読み込めば読み込むほどその場の風景だったり、人物の感情だったり、様々なことを想像しながら読むことが出来ました!何度も読みたくなる素敵な作品ですね!! (2018年3月7日 0時) (レス) id: 5f5fd54baa (このIDを非表示/違反報告)
イミテンシヤ - もう!最高でした!純粋なお付き合いが美しい!!主人公ちゃんかわいい! (2018年2月18日 19時) (レス) id: 1ec0e336fd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 沖田さんかっこよすぎました。中村さんのさくひんだいすきですほんと!!これからも陰ながら応援させていただきますm(_ _)m (2017年10月13日 1時) (レス) id: 9b72875a2b (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち - 沖田〜カッコいいよーヤバいヤバいヤバい!!!!! (2017年10月12日 17時) (レス) id: 8322775854 (このIDを非表示/違反報告)
銀魂☆ - 常連さんは想うひとより、常連さんは想いびとのほうがいいと思います。でもなはしはいいし、個人の感想なので、気にしないでください。 (2017年8月30日 8時) (レス) id: 7eb058898b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2015年1月6日 12時