番外編:分からない ページ33
「・・・・沖田さん?」
先程から反応のない沖田さんへ呼びかける。
「・・あの、私何かしましたか・・・?」
恐る恐る、そう聞いてみれば。
「・・・・心当たり、ねーのかィ」
「こ、心当たり・・」
そう言われてここ数日の行動を振り返る。・・けど、特に変わったことはなかったはずだ。
私はいつも通り雑用をこなして、隊士の人にも失礼をしでかした覚えはないし。
沖田さんに至っては話す機会もそんなになかったから失礼を仕出かす時間もないというか。
「・・私、なにかしたんですか・・・?」
駄目だ、やっぱりわからない。
もしかしたら何かで沖田さんを怒らせてしまたのかとも思ったけど、まず沖田さんが怒るポイントを私は知らなくて。
(・・・・まだ全然、わからないよね)
沖田さんを、全然知らないということに気づかされた。
まぁそういう関係になってからまだ数日しか経っていないし、無理のないことなのかもしれないけど・・。・・・・・だけど、やはり好きな人のことは知りたい。例えば、何故今こんなにも怒っているのかとか。
でも知る術がないこともまた事実で、思わずため息が漏れそうになってしまう。
・・一方、沖田さんは相変わらず私を無言で見下ろしていて。
「お・・・きた、さん・・?」
その人の名を呼び、私もその瞳の中を覗き込んだ。・・・勿論のこと、何もわからないけど。
やっぱり人の気持ちを手に取るようにわかるようになることは難しいな、なんてどうでもいいことを考えていたとき。
「・・・・・・・それ、」
「・・・え・・?」
沖田さんが、私に顔を近づけた。
「それ、やめやがれ」
「・・・・・・・それ?」
どうやら怒っている原因を示してくれたらしき沖田さん。・・でも、“それ”が示すものが何なのかわからない。
「何のこと、ですか?」
疑問符が溢れかえる脳内からその問を押し出す。
「・・わかんねーのか」
「・・・・ご、ごめんなさ・・――――――ッ!!?」
私が謝罪を口にしたその瞬間、沖田さんは私の唇に自分のそれを押し付けた。
「・・・ん、・・んんッ・・・・ーっ・・・」
かぁ、と私の顔は一瞬でゆでダコのようになってしまい、壁を背にする私に覆いかぶさるようにしている沖田さんに縋り付くようにしながらそれを受け入れる。
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るみ - 夢主のせいかくかんわえぇ (2019年2月12日 14時) (レス) id: 07b463bee0 (このIDを非表示/違反報告)
天藍(サブ) - 443票で10って凄いですね!中村さんの作品、大好きです!これからも頑張ってください! (2018年5月23日 22時) (レス) id: cb3447b729 (このIDを非表示/違反報告)
RIIIIN - 中村さんの作品はどれも好きです(;;)何回も読ませてもらってます! (2016年11月28日 21時) (レス) id: cb398e4876 (このIDを非表示/違反報告)
おきかぐ - あのォ、ホンットサイコー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!です!m9(≧ω≦)ノァハハ最高!!! (2015年4月30日 18時) (レス) id: 7cf0822214 (このIDを非表示/違反報告)
銀悠(プロフ) - どうも!111票目入れさせてもらいました!もちろん一番右です♪ (2014年10月11日 21時) (レス) id: a65478c217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2014年5月10日 18時