百九十六話 ページ48
Aside
それから程無くして、兄さんは治崎を倒した。壊理ちゃんも助けてくれたみたいだった。
でも、様子がおかしい。
あれ……力が暴走するときに似ている。
壊理ちゃん、もしかしてあの個性を制御することができないのか…！
急いで向かわないと。
あたしの個性ならあれを止められる。原理で言えばだけれど。
兄さんを壊理ちゃんから引き剥がし、壊理ちゃんを思いきり、包むように抱き締めた。
あたしは空気。
だから、大丈夫。
緑「…大丈夫。
あたしの個性は壊理ちゃんの個性が効かないんだよ。大丈夫だよ。
落ち着いて。
ゆっくりでいいから。」
そっと個性の放出する場所となっている角に触れる。出来るかどうかは正直言って分からない。何せ経験がない。
それでも、やらなきゃいけない。
緑「…辛かったよね。痛いよね。よく、ここまで頑張ったね。とっても優しい個性。
もう、大丈夫だよ。
もう、誰も壊理ちゃんを苦しませたりはしないよ。必ず、約束する。
もう、我慢しなくていいから。」
壊「…だめ、お姉さんが……私は……。」
緑「大丈夫。きっと制御できるようになるよ。それまであたしがいるよ。
他にも沢山、助けてくれる人はいる。
こうして、個性を止めてあげるよ。だから、もう安心していい。」
そっと、個性因子を空気としもう一度元のように直す。発動していない、元の状態に。
どうやら個性の使いすぎで角はだんだん縮んでいった。
壊理ちゃんはすごい熱がある。
やっと、助けることができた。
漸くだ。この子を助けられた。痛くて辛くて苦しんできたこの子を漸く助け出せてあげられた。
壊「お姉さ、ありがと……ござい、ます…。」
熱に魘されながらも微かにそう言ってくれた。優しい子だ。
蛙「…Aちゃん、足は……。」
緑「大丈夫、壊理ちゃんを預けていいかな？
ちょっと片足だけじゃあ無理があるからさ。それに、今のあたし血まみれで汚いし。」
そう言って梅雨ちゃんに壊理ちゃんを預けた。壊理ちゃんは意識を失ったみたいだ。
体がもう、言うことを訊かない。
思うように動かない。
血を流しすぎたのが今ごろになって来たのか。アドレナリンが大量に出ていたのかな。
どうか、誰も死んだりしていませんように。
そう思いながら意識は落ちていった。
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ミナミ(プロフ) - 今井 明希さん» ありがとうございます！続編もこれからもよろしくお願いいたします！ (2020年2月12日 22時) (
レス) id: 4b9f084e7b (このIDを非表示/違反報告)
今井 明希(プロフ) - 面白いです！最新がんばってください！ (2020年2月12日 0時) (レス) id: d714c1a6ae (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - 読んでくださってありがとうございます！背景ちょっといつも考えていたので気づいてもらえて嬉しかったです！これからも頑張るので宜しくお願いします！ (2020年1月29日 22時) (レス) id: 4b9f084e7b (このIDを非表示/違反報告)
メガネザル - 面白くて一気に読んじゃいました！ 更新頑張ってください！応援しています(*´▽｀*) (2020年1月28日 22時) (レス) id: 7074a2782f (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ - 続編応援してます！これからも頑張ってください。毎回、後ろの背景?が変わって何かワクワクしてます(語彙力がない) (2020年1月28日 21時) (レス) id: 717af831f6 (このIDを非表示/違反報告)
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