百六十九話 ページ21
Aside
にっこり笑って、聞いた。
うまく聞けているだろうか。うまく笑えているだろうか。
その心配ばかりしている。
あまりに疲れていて、まだ寝ていたい。体が怠いし漸く回ってきた休み。
それに正直、連日サーのところに行ったのと個性の使いすぎ、そして個性の事。沢山の事を考えて頭が痛い。
こんな日に限って夢見心地が悪かった。
最悪の夢だった。
母さんに正面切ってお前など生まなければよかったと叫ばれた。
そんなこと、あたしが一番わかっている。母さんにとってあたしは邪魔であることも、いらない存在であることも。
それでも、今日の夢はキツかった。
もう、習慣になってしまったように当たり前に笑うことしか、それしか出来なかった。
制服のままで寝てしまった。
着替えないと。
一度部屋に戻り、シャツを脱いで別のものを着る。洗濯は今日纏めてやってしまわないといけないだろう。
時間も余りない。
蛙「Aちゃん、今日はナイトアイのところに行かなくてもいいのね。
ご飯食べたら一緒に学校、行きましょう？」
緑「そうだね。
もう随分学校に行けてないし。勉強、追い付けるか凄く心配だよ。
それに、たぶん今日はインターン行っていた分の補修も少しやるって言われてたからちょっと心配。」
蛙「そうね。
私たちも少しずつやってるわ。じゃあ、Aちゃん、私待ってるわ。」
緑「うん、ありがとう。」
笑って答える。
習慣として形付いた行為。個性を使い続けなければいけないけれどそれしか出来なかった。
あたしはそれ以外の方法を知らない。
そうするしかないじゃないか。他にどうすればいい？
どうすれば普通に笑える？
まぁ、笑って楽しく生きたいと言うわけでもない。笑う必要があるから困っているだけ。
轟「A、今日は和食と洋食どっちにするんだ？
俺、今ちょうどとるところだから。ついでに出しとく。」
緑「あ、今日は和食かな。
ありがとう、轟くん。」
轟「ああ。」
不意に勝己を見ると異様に眉間に皺を寄せていて怖かった。普通に。
何に対して怒っているのやら。
轟「何でそんなに怒ってんだ、爆豪。」
爆「アア！？
怒ってねぇわ！舐めプ野郎！！」
轟「なら笑えよ。」
瀬「それはそれで怖ぇな。」
爆「んだとォ！？
黙ってろやしょうゆ顔！！」
荒れてるなぁ。
皆、そんな様子を笑ってみたり、会話に入ったりして楽しそうだった。
普通に、笑っていた。
あたしは、作って笑うことしか出来なかった。
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ミナミ(プロフ) - 今井 明希さん» ありがとうございます！続編もこれからもよろしくお願いいたします！ (2020年2月12日 22時) (
レス) id: 4b9f084e7b (このIDを非表示/違反報告)
今井 明希(プロフ) - 面白いです！最新がんばってください！ (2020年2月12日 0時) (レス) id: d714c1a6ae (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - 読んでくださってありがとうございます！背景ちょっといつも考えていたので気づいてもらえて嬉しかったです！これからも頑張るので宜しくお願いします！ (2020年1月29日 22時) (レス) id: 4b9f084e7b (このIDを非表示/違反報告)
メガネザル - 面白くて一気に読んじゃいました！ 更新頑張ってください！応援しています(*´▽｀*) (2020年1月28日 22時) (レス) id: 7074a2782f (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ - 続編応援してます！これからも頑張ってください。毎回、後ろの背景?が変わって何かワクワクしてます(語彙力がない) (2020年1月28日 21時) (レス) id: 717af831f6 (このIDを非表示/違反報告)
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