八十九話 ページ41
Aside
頭がくらくらする。
誰かが、後ろから来るような気配がするけど、これ以上一歩も歩けそうになかった。
手の震えはだんだん酷くなってくる。
?「…おぉ、みーつけた。
君さぁ、緑谷Aだろ?
彼奴のボスさんが喉から手が出るほど欲しがってるって言う。
へー、かわいい顔してるね。
彼奴の言ってた通りだな。自己犠牲は厭わない。他人のことばっかり考えるようなやつだってな。
ガスを巻いたのもそれを踏んでのことだった。あんたは、嵌められたんだよ。
さて、来て貰おうか。
その様子だと、もう動けないみたいだな。
なら、好都合だ。
もうすぐで合図が来るはずだから、それに間に合わせないといけないんだよね。」
緑「…っ……あん…た……誰…?」
?「俺?
あぁ、付き合い長くなるだろうし特別に教えてやるよ。荼毘だ。」
敵はそう名乗った。
恐らく、本名では無いだろうけれど。まぁ、この場で本名名乗るほどバカではないか。
茶「さて、来てもらうぞ。」
体が担がれた。
抵抗する力も全く湧かない。ガスを結構取り入れてしまったし、協力なものだったからなんだろう。
皆は無事だろうか。
兄さんは大丈夫だろうか。かっちゃんは?かっちゃんはもう一つの狙いだと思うし、もしかしたらかっちゃんも、もう。
さっき言っていた合図まで時間があるのか、敵はゆっくりと歩いていた。
あたしは無力だ。
それを痛感する。誰も守れない。
あたしは、このままどうなるのだろうか。また、人体実験にされるのか。
それとも敵に引き入れようとするのか。
どちらも有りうる事だけれど、多分人体実験だ。前回もあたしを狙ってきた。
恐らく、まだ調べたい事でもあるんだろう。
嫌だ。
あの実験をまたやらされるなんて。あの日々は地獄だった。いっそのこと死んでしまいたいと何度思ったことか。
体が麻痺する。
考えただけで鈍い頭痛が走る。
もう、これ以上意識を保ってはいられない。
ゆっくりと意識は落ちていった。
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すぐる - 50話の「応用が利く」のところが「応用が聞く」になっています。細かくてすいません🥳 (2023年1月12日 0時) (レス) @page2 id: a8ac25d13a (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴,,, - この作品のおかげでサーを推しはじめた (2022年12月27日 1時) (レス) @page4 id: e85af83036 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 轟の成長みたいな感じですか? 母が言っていたセリフも似ていますよね! (2022年7月28日 20時) (レス) @page20 id: 279e5ec09b (このIDを非表示/違反報告)
たむたむ - ミリオの個性は通過じゃなくて透過だよ (2021年10月11日 22時) (レス) @page2 id: 124affbb66 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - 脱線脱出tomorrow さん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いいたします (2019年12月11日 4時) (レス) id: 4b9f084e7b (このIDを非表示/違反報告)
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