五十一話 ページ3
ナイトアイside
体育祭を見に行った。ミリオが来てくれと煩かったからだ。
出番まで時間があったので一年生の方を見ていたら気になる個性の生徒を見つけた。
彼女の個性ならミリオと同じことが可能だろう。
動きにも無駄がなく、センスがいい。下手なプロよりも…否、もしかしたらプロよりも強いだろう。
その生徒は一切笑わなかった。
第一回戦を勝ち上がったときも、その次も。
気になり、頃合いを見計らって昼休みの時にわざとぶつかり、彼女を見た。
見えたのは、誰よりも悲惨な未来だった。
この一年の間に彼女は死ぬ。
未来を読むと彼女の大体の事情も分かった。望まぬ個性を持ち、誰にも気付かれず、母親は兄に構いきり。
その未来の中にも彼女が笑っていると言うのは無かった。
彼女には素質がある。根津校長が見込んだように、No.1の素質が。
彼女が笑って前に立てるようになればきっと、どんなヒーローよりも強いヒーローになる。
オールマイトを越える。
ミリオも、きっと。
だが、彼女は死ぬ。
未来は変えられない。
ならば、せめて。
彼女を笑顔にさせたいと思った。
変わらないかもしれない。
手始めにミリオを見せて、彼女に足りない部分を気付かせさせようか。
技の部分ではまだまだ出来るところは沢山あるだろう。ミリオにバレないように見て学べば自然と個性も伸びるだろう。
私を信用するには時間が掛かるだろう。
時間は無い。
しかし、それに関してだけは私が待つほかない事は目に見えている。
一度でもいい。
光の差さない目に、光を差させなければならない。
そうすれば、何か変わるかもしれない。
この期に及んで、未だこんな期待をするとはな……。
彼女はこの世を憎んでいる訳ではない。
只、きっと母親に見てもらうことを望んでいるのだ。
だから、振り向かせて教える必要がある。其だけが此の世界ではないと。
ミリオにも得られるものはきっとある。
今、対峙している彼女は思った以上に此方に期待しているようだ。
アリア。
ヒーローになりたがってはいない。そう思っていたが違うな。
気付いていないだけだ。
先ずは、職場体験。
ミリオももうじき来る。
忙しくなりそうだ。
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すぐる - 50話の「応用が利く」のところが「応用が聞く」になっています。細かくてすいません🥳 (2023年1月12日 0時) (
レス) @page2 id: a8ac25d13a (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴,,, - この作品のおかげでサーを推しはじめた (2022年12月27日 1時) (レス) @page4 id: e85af83036 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 轟の成長みたいな感じですか？ 母が言っていたセリフも似ていますよね！ (2022年7月28日 20時) (レス) @page20 id: 279e5ec09b (このIDを非表示/違反報告)
たむたむ - ミリオの個性は通過じゃなくて透過だよ (2021年10月11日 22時) (レス) @page2 id: 124affbb66 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - 脱線脱出tomorrow さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いいたします (2019年12月11日 4時) (レス) id: 4b9f084e7b (このIDを非表示/違反報告)
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