六十七話 ページ19
Aside
試験が始まった。
先生と真っ向から戦うのであれば、空気となって気配を消すのは無意味なことだ。
どうせ戦うんだし、それで無駄に個性を消費したくはない。
なら、取り敢えずは先生を見つけて………。
まぁ、取り敢えず常に個性を発動させておこう。もし来た場合直ぐに気づけるように。
カフスは一応空気にしておいて何処にあるか分からなくしておく。
その時だった。
個性が消えた。
咄嗟に方向を変え、後ろに飛ぶとさっきいたところに捕縛布が飛んでいた。
先生との戦いは個性が使えないも同然。
使えるようになった一瞬でどうにかするしかないんだろうけど……。
相「矢張、勘はいいな。
だが…それだけでは勝つことは出来ないぞ。」
あたしは格闘技とかは得意ではないんだ。
どうすればいい？
やるしかないんだろうけれど、先生から格闘で勝てるわけがない。
相「……迷うな。
迷っている間にやられるぞ。」
捕縛布が飛んできたかと思ったら、右からの蹴りが来た。咄嗟に後ろに飛んで回避したが、今度は捕縛布の射程距離に入った。
個性が使えないのは思ったより厄介だ。
いつも使えるかどうか確認して、一瞬で片をつけるしかない。
予測が大事。
サーがいつも言っていた。
落ち着いて、動きを予測しろ。先生の動きならいつも見てきた。
どう動くのかの計算をしろ。
焦っていたのが落ち着いてきた。
どう来るのか、大分わかるようになってきた。でも、避けっぱなしはいけない。
あたしはこの人に勝たなければならないんだ。
相「…A。
お前はどうするつもりなんだ。ヒーローになる覚悟がお前にはあるのか。」
そう、問われた。
ヒーローになる覚悟があるのか？
……無いのかもしれない。
相「迷ってばかりではその内他のやつが上に行く。迷ってばかりでは誰も救えない。
お前なら分かるだろう。」
分かる。
あたしはヒーローになりたい訳じゃあないんだ。昔はそうだったのかもしれない。
でも、少なくとも今は違う。
ヒーローになりたいなんて思ってなんか……。
……思えるわけ…。
冬のあの日、あたしを救ってくれた先生を見た。
あたしはきっと普通に過ごしていたら、普通の子みたいにそう思えた。
否、あたしだって本当は分かってるんだ。
自分が本当はヒーローになりたいって思ってることくらい。
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すぐる - 50話の「応用が利く」のところが「応用が聞く」になっています。細かくてすいません🥳 (2023年1月12日 0時) (
レス) @page2 id: a8ac25d13a (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴,,, - この作品のおかげでサーを推しはじめた (2022年12月27日 1時) (レス) @page4 id: e85af83036 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 轟の成長みたいな感じですか？ 母が言っていたセリフも似ていますよね！ (2022年7月28日 20時) (レス) @page20 id: 279e5ec09b (このIDを非表示/違反報告)
たむたむ - ミリオの個性は通過じゃなくて透過だよ (2021年10月11日 22時) (レス) @page2 id: 124affbb66 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - 脱線脱出tomorrow さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いいたします (2019年12月11日 4時) (レス) id: 4b9f084e7b (このIDを非表示/違反報告)
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