二百八十七話。 ページ38
相澤side
「…そんな素振りは、見られなかった。
やはり、両親が亡くなったときだろうか。」
職員室で教員が集まりながらオールマイトさんがそんな声を出した。
Aが初めてオール・フォー・ワンと接触したと語った日のことは他の教員も把握している。やはりそのことを踏まえるとその可能性が一番高い。
「…こうなった以上はその話すらも嘘である可能性も考えなくてはならないのさ。
彼女は隠すのが上手い。」
「ですが…そうなると、彼女はなんのために敵に？」
それが一番わからなかった。
どれだけ考えても、なぜ敵になったのか。それが全くわからない。考えればわかりそうなものなのに。
「だけれど、あいつは弟のことは何よりも大切にしている。そう考えると、あの病院にいると思います。」
「そうでなくても立ち寄った可能性は高いってわけか。」
「行く価値はあるわ。
…今すぐにでも。あの子が、これ以上道を踏み外さないためにも。」
静かな表情でミッドナイトさんはそう言った。
敵になりきっていないと、全員が信じたかった。Aの成長に期待していない人間など、この学校にはいない。
きっと、それも間違いだった。
それがあの子の正体に気づけなくさせた要因の大きな一つだった。
「…少し確認したいことがあるのさ。
彼女の部屋がどうなっているのか、知りたい。この雄英高校に敵が侵入できるような仕組みを残して去ったのならそれは取り除かなければ。」
「そう、ですね。
まだ病院は開いていない。先にそっちを確認しましょう。Aの部屋に案内します。」
校長の一言で、先に俺と校長でAの部屋に向かうことになった。
「相澤くんは彼女が敵だと、思うかい？」
「…いえ、」
「僕もそう思うのさ。
きっと、何かしら理由がある。
僕たちは彼女をしらなさすぎるのさ。」
例えば、生まれた場所。
例えば、好きなもの。
そんなもののすべてが嘘で、隠し通されたものなら何を知っていると言えるのか。
Aの嘘は本当に理由があるのか。
俺の知る敵はどうやってもどす黒いものだった。そのうちにはもしかしたら、ひどい理由で落ちるしかなかった敵もいたのかもしれない。
それでも、敵というのはそういうものだった。
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ミナミ(プロフ) - yuaさん» ありがとうございます！これからのシリーズもどうぞよろしくお願いいたします！！！ (2022年10月23日 16時) (
レス) id: 6614ae932f (このIDを非表示/違反報告)
yua - コメント失礼します! シリーズ全部読ませてもらいました! 全部面白くて、感動しながら読んでいます。 更新頑張ってください!! (2022年10月22日 15時) (レス) @page50 id: 658ebb7b55 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - Reeさん» ありがとうございます！更新頻度も気まぐれだというのに多くの方々に読んでいただけてうれしいです！これからも応援よろしくお願いします！ (2022年10月18日 20時) (レス) id: dce04d5ff9 (このIDを非表示/違反報告)
Ree(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませて頂いてます！凄く面白いです。爆豪と相澤先生推しなので更に最高と思いながら♡これからの展開がとても楽しみです。陰ながら応援してます。 (2022年10月17日 19時) (レス) @page47 id: dbef1d39c6 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - にゃんこうどんさん» ありがとうございます！！とても嬉しいです!爆豪くんもかっこいいですよね…人気投票１位なのもなっとくですしギャップ萌えやばいですよね！これからもこの作品をよろしくおねがいします！ (2022年9月19日 14時) (レス) id: 6614ae932f (このIDを非表示/違反報告)
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