・ ページ17
しのぶside
「鬼殺隊の最強の者に与えられる称号だ。
Aは確か、入隊して三ヶ月目でこの間柱になったな。」
鬼殺隊、最強？
この女の子が？
悲鳴嶼さんがいうのなら本当なのだろうけれど、俄には信じがたい。
小さく縮こまっているだけで強くは見えない。
「あら、凄いわね！」
「鬼殺隊の称号はいくつかあるが、かなり早い出世だな。私は二ヶ月だった。」
「悲鳴嶼さんでもそうなの？」
「ああ。」
悲鳴嶼さんがそう言うと、縮こまっていた女の子のところに鴉が飛んできた。
「…悲鳴嶼さん、けいこ。」
「ああ、そうだったな。
日暮れが来る前に終わらせなければならないしやるか。」
悲鳴嶼さんは奥にある木刀を二つ出して、その女の子に一つ渡した。
見せてもらおう。悲鳴嶼さんが強いのはわかるけれど、この女の子が強いのは分からないし。
「では、いつでも来なさい。」
次の瞬間、始まったのは激しい打ち合いだった。目で追いかけることができない。
でも、互角の戦いなのは分かる。
二人とも凄い人なんだ。強くて、速い。悲鳴嶼さんなんか目も見えてないはずなのにどうやっているんだろう。
あの女の子も、私より大きいとはいえ全然体格が違うのに。姉さんよりも小さいのに。
どうしてあんなに強いんだろう。
しばらくして、女の子の木刀が折れてその打ち合いは終わった。
なにかを少しだけ話して、それから稽古はもう終わりらしい。
「凄いわね！
あんなの見たことないわ！」
興奮して、ついそう話しかけた。
女の子は少し驚いたようにこちらを見て悲鳴嶼さんの方に助けを求めるように見るけれど、悲鳴嶼さんはどうやら敢えて気づかないふりをしている。
「ねぇ、どうやったの？」
「…呼吸、って言うのを使うの。
難しいけど、使えたら鬼も殺せる。」
そう小さく呟いた。
呼吸。私も使えるようになりたい。強くなって、姉さんとの約束を果たしたい。
「教えて！」
「…あ、えっと、私は忙しいし…悲鳴嶼さん、も。柱は仕事が、多いから。
育手を悲鳴嶼さんに紹介してもらえたら…。」
それなら少し無理がある。
悲鳴嶼さんは一向に認めてくれないんだもの。無理だ。
「無理よ。あの人教えてくれないもの。」
「…大丈夫、だよ。
悲鳴嶼さん、優しいから。」
そう言って、初めて笑いかけてくれた。
口下手なのは人と関わってこなかったからでもしかしたら結構話すのかもしれない。
なんとなく仲良くなれる気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 343人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モブ好きだわ - あ、名前変えてしまいました！言うの忘れててすみません！ (2021年4月29日 18時) (
レス) id: 94bc23990d (このIDを非表示/違反報告)
モブ好きだわ - ミナミさん» そうなんですか！ 教えてくださってありがとうございました！だからかぁ…ﾎｪｰ他の読者さまは有難いですねぇ…でも良かったです！作者様がそのコメントが気になって作品書くのを止めなくて! (2021年4月29日 18時) (レス) id: 94bc23990d (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - ダークファンタジーマジおもろさん» 読んでくださりありがとうございます！1の方ではですね、少し厄介な方があらわれまして…ストーリーについて言われたりだとか、他の読者の方が止めてくださったんですけど止まらなくて。トラブルの元となるために消させていただきした。返信遅れてすみません。 (2021年3月24日 18時) (レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
ダークファンタジーマジおもろ - あと何で1のコメント欄削除したんですか？ﾋﾟｴﾝ 理由教えて欲しいです汗 (2021年3月21日 20時) (レス) id: 94bc23990d (このIDを非表示/違反報告)
ダークファンタジーマジおもろ - 完結してよかったです!!!最後はハッピーエンドでよかったです!!!私今3DSで見てるので文字数があまりわからないのでここら辺で終わらしときます!!!今までありがとうございました!!! (2021年3月21日 20時) (レス) id: 94bc23990d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
