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時の導き ページ44

胡蝶との話が終わったあと、私は一人となった。
そろそろ寝るか、と寝台に体を沈めようとすると、部屋の戸がトントンッと叩かれた。

「…?」

スッ…、

私が返事をするまでもなく、戸が開く。
見ると、時透が部屋に入って来た。

「時透……?」

「A!もう大丈夫みたいだね。」

ニコニコと笑いかけてくる時透に私は流される。

もう、寝るつもりだったのに。

「何か、用か?」

「うーん、用事はないかな。
 ただ、Aが見たかったんだ。」

私が?不思議な奴だな…

時透は本当にただ私の顔を見に来ただけのようで、私が寝ている寝台の横に立って、こちらを見てくる。

「時透…」

「なに?A!」

少し居づらく感じた私は、時透の注意を反らすために話をする。

「時透は、私のことを…、その、大切に思っている、のか?」

普通に聞こうとしてしまったが、かなり恥ずかしいことを聞いていると途中で自覚する。

「あ、いや…その。」

「勿論だよ。」


…、、、

きっぱりと言い切った時透は、なぜか自信たっぷりな表情をしていた。

「僕達みんな、Aのことが大切で、大好きだよ?」

「……、あ、ありがとう?」


「あ、伊黒さんもあんな態度だけどちゃんと大切に思ってるよ?」


「そうかな…?」

伊黒は、いつも私を睨んでくるが……

私がそう苦笑すると、時透は少し考えるように首をひねらせてポンッと手を叩いた。

「、本人から聞けばいいかな?
  そうだよね、伊黒さん。」



「え?何言って、、、」

時透が部屋の戸に向かって声をかけるので何をしているのだと思うと、ガタッ、と戸の方から音がした。


「!?」


「僕も今気づいたけど、そこにいるの伊黒さんだよね?」

時透がそう言うと、戸がスッ、と開いて伊黒が入って来た。

…、全く気づかなかった。
いつもなら気づいていてもおかしくないのに。

気づけなくてちょっとだけ、悔しい。


「気づいたか…」

フッ、と鼻を鳴らしてこちらに近づいてくる伊黒。

すると時透は伊黒の顔をジッと見てそれから私の方を見た。


「じゃあ、俺はもう出て行くから。
 伊黒さん、聞いていたなら分かると思うけどしっかり伝えてね。」


時透がそう言うと、伊黒は「分かっている。」と言ってうなずく。

「じゃあね、A。しっかり休んでよ。」


そう言うと、時透は部屋を出て行く。


「……」

「…、」


そして部屋には、伊黒と私の二人だけとなった。

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作品ジャンル:アニメ
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絵理奈(プロフ) - 明菜が夢主に罪を負わせますね、刀キャーとか嫌がらせされたとか身体が痣だらけだとか。 (2020年2月3日 18時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま(プロフ) - 和美さん» ありがとうございます。めちゃくちゃ元気でました!!更新頑張ります! (2020年1月8日 21時) (レス) id: b10489591d (このIDを非表示/違反報告)
和美(プロフ) - 最高の作品ありがとうございます!夢主ちゃんが早く幸せになって欲しい…大好きです!(((殴 更新頑張ってください! (2020年1月8日 11時) (レス) id: 02d0844636 (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま(プロフ) - www(アメーババババ)さん» わぁ!ありがとうございます!更新頑張ります( ー`дー´)キリッ! (2019年12月1日 19時) (レス) id: b10489591d (このIDを非表示/違反報告)
www(アメーババババ)(プロフ) - 好きです!(唐突)更新頑張ってください!! (2019年12月1日 17時) (レス) id: 9fbd33347e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちーかま | 作成日時:2019年12月1日 5時

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