嫌な人生 ページ36
震える手足を落ち着かせながら、私は一つ、思うことがあった。
『あんたなんか産まなきゃよかった！』
『恥さらしめ！』
あの二人が、死んだのだ。
私の目の前で。
いい気味だ。
そう、いい気味なはずなんだ。
なのに、なんで、
なんで？
なんで怒りがこみ上げてくるんだけど？
「お前を食べたら、俺は十二鬼月にもなれるかもしれないなぁ、」
ニタニタ笑いながら迫ってくる鬼。
ﾊｱ……ﾌｩー
『雪の呼吸 弐ノ型 夜叉吹雪』
「遅いなぁ…？」
軽々と攻撃をかわす鬼。
確実に私のスピードが落ちてきている。
毒がまた回り始めたか？
段々と焦りがでてくる。
キッと鬼を睨むと、機嫌を損ねたように嫌そうな顔をした。
「チッ、本当は一気に食おうと思ったが、少し遊んでやるよ！」
強風が吹き荒れ、私の肌を裂く。
肌から血が流れ出る。
「お前、馬鹿だろう？」
私の血は稀血だぞ？酩酊状態になるに決まっているだろうが。
『雪の呼吸 陸ノ型 銀世界』
これで、お終いだ！
「ああ…？それはお前だろ？」
！？
なんだ？なんで酩酊しない？
鬼はふらつくどころか、しっかりしている。
ザンッ、
鬼の首を狙うも、少し斬れただけだった。
「お前の血、すごいんだなぁ？
感じないか？ここにお前の血を求めて雑魚鬼がやって来ているのを。」
「なんで、酩酊しないっ！」
もう、訳が分からない。
毒が回ってる、思考が定まらない。
逃げ出したい。逃げ出したい！
でもダメだ、こいつは倒さなきゃダメだ！
「ああ、俺は欠陥品だからなぁ、匂いを感じねぇんだ。」
また、ニタニタ笑う鬼。
匂いが感じない！？
鬼なのに、体が完璧じゃないなんて…
「お前も今思っただろう？鬼のくせに…ってな。
ああ、本当にムカつくなぁああ！」
そう叫びながら、鬼がこちらに襲いかかってくる。
どうしよう、避けられない…
体が、動かない。
もう、ダメなのかな。
刀を握る手に力を込めようとも、
地を蹴るために足に力を込めようとも、
うまく体が動かない。
「クソっ、」
悔しい、悔しいよ。
あんなに頑張ったのに、結局最後まで認めてもらえなくて、
結局、最期には、頑張った成果が出せずに死ぬんだ。
本当、嫌な人生だよね…
鬼が、すぐそこまで迫っている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絵理奈(プロフ) - 明菜が夢主に罪を負わせますね、刀キャーとか嫌がらせされたとか身体が痣だらけだとか。 (2020年2月3日 18時) (
レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま(プロフ) - 和美さん» ありがとうございます。めちゃくちゃ元気でました！！更新頑張ります！ (2020年1月8日 21時) (レス) id: b10489591d (このIDを非表示/違反報告)
和美(プロフ) - 最高の作品ありがとうございます！夢主ちゃんが早く幸せになって欲しい…大好きです！(((殴 更新頑張ってください！ (2020年1月8日 11時) (レス) id: 02d0844636 (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま(プロフ) - www(ｱﾒｰﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ)さん» わぁ！ありがとうございます！更新頑張ります( ｰ`дｰ´)ｷﾘｯ！ (2019年12月1日 19時) (レス) id: b10489591d (このIDを非表示/違反報告)
www(ｱﾒｰﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ)(プロフ) - 好きです！(唐突)更新頑張ってください！！ (2019年12月1日 17時) (レス) id: 9fbd33347e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちーかま | 作成日時：2019年12月1日 5時
