検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:4,106 hit

カルテ21 ページ22

正直、すごくびっくりした。

もちろん私からこんな言葉が出ることにはびっくりしている。

だけどそれ以前に、私が、こんなことに関わることになるとは…。

普通の高校生だったはずなんだけどな…。

「…患者が偉いこと言うぜ。お前らは救われる立場だ。救う側のオレたちに口出しをするな。」

桑原先生の表情は厳しく、冷たくなっていた。

「お前ッ…!」

桑原先生のことをずっと“あなた”と呼んでいた緋純先生でさえ、言葉を荒くした。

その時だった。

「龍騎さん、そういう人だったんだ。信頼して損した。」

私の背後から声が聞こえた。

振り返ると、香月くん…麗央くんがいた。

「麗央くん…!!」

意外にも、最初に口を開いたのは緋純先生だった。

「あれ?お前Aの部屋にいたんじゃなかったの?」

「内線で院長先生に助けてもらった。」

院長先生…さっきから話を聞いてるけど、どういう人かわからない…。

「龍騎さん、僕のこと殺そうとしてたの?話はほとんど聞いていたよ。」

「ちげぇよ、殺そうとしてたのは院長だ。オレじゃねぇ。」

言い訳、結局協力してたじゃん。

「Aと会って気づいた。…やめよう。僕がこれからどうなるかわからない。だけどさ、気になるじゃん、僕の未来。死にたくないって思った。」

急に…どうしたんだろ…。

「な、お前、憎んでねぇのかよ!?お前を、殺しかけたんだぜ!?!?」

「すげぇ必死だな、結局…お前が麗央くんをおかしくするだけして。その反応、この先何も考えていなかったんだな。おい、行くぞ。」

緋純先生が桑原先生の腕を掴んで連れていこうとした。

院長室に行くのかな?

「離せ!!やめろよ!」

パチンッ

乾いた音がした。

次いで、切る音。

ザッ

「っ!!」

「緋純先生!」

麗央くんが私をだき抱えて視界を防いでくれた。

何、が…?

「くっ…お前…ッ…。」

カルテ22→←カルテ20



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.5/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5人がお気に入り
設定タグ:オリジナル   
作品ジャンル:ミステリー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

円香(プロフ) - くまの助さん» 読んでいただきありがとうございます! ジャンル、そうですね…アドバイスありがとうございます。 (2018年8月21日 7時) (レス) id: d1740a14bb (このIDを非表示/違反報告)
くまの助(プロフ) - 気がつけば読み終えていました。ジャンルがファンタジーよりミステリーかな?という印象です (2018年8月20日 21時) (レス) id: 20308b11a1 (このIDを非表示/違反報告)
円香(プロフ) - 吐露@菊秦芳は露を吐くさん» ありがとうございます!病院シリーズは初めてなのでよくわからなかったのですが…そう言ってもらえて少し安心しました(笑) (2018年6月9日 20時) (レス) id: d1740a14bb (このIDを非表示/違反報告)
吐露@菊秦芳は露を吐く(プロフ) - なんだかお話の設定やら病院の雰囲気やらがしっかりしていて読みやすかったです!続きを楽しみにしていますね! (2018年6月9日 20時) (レス) id: 07eaa6a5bc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:円香 | 作成日時:2018年4月23日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。