Last resort ・・・３６ ページ38
角名side
Aの家に行ってもAは居なかった。
俺はなんで行く前に靴箱を確認しなかったのか、
後悔しながら急いで学校へ走る。
夏の暑さは酷くて、頭から少し汗が流れてきた。
だけど今はそんなのどうでもいい。
角名｢(Aを探さなきゃ……。)｣
学校について息を整えながら考えた。
片っ端から探しても埒が明かなと思う。
教室とかは多分みんな探しただろうし……
角名｢(屋上かな。)｣
目の前にある階段を見つめながらそう思った。
階段をかけ登り、息を切らしながら屋上前に着いた。
角名 ｢A。｣
屋上前の階段には小さく座ったAが居た。
『……角名も笑いに来たの？』
Aは俯いて少し震えた声で言葉を返してきた。
角名 ｢違うよ。｣
『じゃあ何しに来たの。』
何をしに来たか……。
仲直り、説得、反省…………いや、そうじゃない。
角名｢Aを助けに来た。｣
そう言うとAは｢は？｣と言うような顔で
一瞬こっちを向いて、直ぐにそっぽを向いた。
｢助けるって誰を。｣
角名｢Aを。｣
そう言うとホントに角名って意味わかんない、
と言いながらAは俺の横を素通りしようとした。
『なにすんの。』
角名｢お願い話を聞いて。｣
『聞く話なんてないでしょ。』
俺はAの腕をつかみ離さない。
一生懸命振り払おうとしてるけど男子と女子の力の差は歴然。
『……話すなら勝手に話せば。』
Aは諦めて階段にまた座った。
これが多分最後のチャンス。
ごめんねA。
ずっと一人にして、隣を歩いてやれなくて、
もうひとりぼっちは、夢は卒業しよう。
角名｢あのね、A。俺全部知ってたんだ。
Aが嫌がらせしてるのも、不安も全部知ってた。
なのに何もしなかった。見て見ぬふりをしてた。｣
そこまで言うとAは急に俺を押し倒した。
俺は｢えっ、｣ってなったけど上を見上げてAの顔を見たらその｢え｣は｢ごめん｣に変わった。
『んで……なんで1人にしたの。』
Aの目からは大粒の涙が零れてる。
俺は初めてAがこんなに泣いてるのを見た。
『ずっと、1人だった……怖かった。
寂しくて、冷たくて、息苦しくて……。』
ごめん。
『毎日泣きたくなるような1日だった。
誰も相手にしてくれなくなるんじゃないのかって怖くなった。
なんで、何もしてくれなかったの……。』
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ヲタク - 面白かったです‼角名りんオチサイコーでした(*´꒳`*) (2022年12月29日 0時) (
レス) @page49 id: e2062574ee (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑(プロフ) - ゆうさん» 初めましてです！最後まで読んでくださるなんて､､､凄く嬉しいです(T＿T)こちらこそ読んでくださりありがとうございます！ (2020年12月6日 19時) (レス) id: cd57ad852b (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑(プロフ) - くまゆかさん» こんばんは！読んでいただきありがとうございます！日向翔陽の方更新できてなくてごめんなさい！あっちから来てくださりありがとうございます！ (2020年12月6日 19時) (レス) id: cd57ad852b (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - はじめまして！この小説、まだ途中しか読んでいないのですが、途中で泣きそうになりました。夢主の思ってることが凄い現実的で、感情移入してしまいました！最後まで読んできます！すてきな作品、ありがとうございます！ (2020年11月30日 17時) (レス) id: 5b49601941 (このIDを非表示/違反報告)
くまゆか - こんにちは！日向翔陽義妹いるんだってからこさしてもらいました (2020年10月1日 19時) (レス) id: 0a5d1e7901 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏蜜柑 | 作成日時：2020年5月30日 8時
