Last resort ・・・10 ページ12
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侑の言った言葉に背筋が凍った。
煩かった空間も一瞬だけ静かになる。
『え、今なんて・・・。』
侑 「せやから、行けばええやん合コン。」
しばらくの間の後にはザワ付きも取り戻し、
場所は和んだ。
私と侑が居るところ以外は。
『そうじゃなくて、合同練習は……』
私も行かなきゃダメじゃない?
いや、ダメだよね。
侑「それなら気にせんでええよ、北上が居るし。」
ニコニコとした笑みで侑は続ける。
侑「北上もだいぶ仕事になれたし、
合同練は涼しいところでやるねん。
別にAが居らんくても大丈夫や・・」
銀島「お、おい侑言い方。」
銀ちゃんが少し注意するけど侑は止まらない。
侑 「なんでや?だって”北上”おるや……」
『ごめん席外す。』
侑の言葉を遮って教室を出てく。
後ろから友達とか銀ちゃんが呼んでる声がするけど
そんなの知らない。
大体なんやねん。
みんなして「北上、北上」って・・・・
そんなに深雪ちゃんが大切なん?
私はいらないって事なの……?
私はみんなの為に頑張ってるのに。
みんなは私よりも深雪ちゃん、
「ありがとう」も「手伝うよ」も全部深雪ちゃん。
何時からこうなった?
1年生の時はこんなんじゃなかったのに、
全部深雪ちゃんが来てから。
可愛い可愛いあの子が来てからだよ。
居場所が無くなった。
ついには必要とすらされなくなった。
全部、深雪ちゃんのせいだ。
絶対違うのにそういう事じゃ無いのに
心の中のモヤモヤが、
ドス黒い何かが勝手にそう決めてく。
守らなきゃ、私の居場所を……
もうこれ以上侵食されたくない。
誰にも必要とされなくなりそうな不安と、
深雪ちゃんに対する嫉妬で私はおかしくなった。
ダメだってやっちゃいけないって分かってるけど、
こうしないと全部壊れちゃう。
自分の目から涙が溢れてるのにも気づかず私は屋上へと向かった。
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ヲタク - 面白かったです‼角名りんオチサイコーでした(*´꒳`*) (2022年12月29日 0時) (レス) @page49 id: e2062574ee (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑(プロフ) - ゆうさん» 初めましてです!最後まで読んでくださるなんて、、、凄く嬉しいです(T_T)こちらこそ読んでくださりありがとうございます! (2020年12月6日 19時) (レス) id: cd57ad852b (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑(プロフ) - くまゆかさん» こんばんは!読んでいただきありがとうございます!日向翔陽の方更新できてなくてごめんなさい!あっちから来てくださりありがとうございます! (2020年12月6日 19時) (レス) id: cd57ad852b (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - はじめまして!この小説、まだ途中しか読んでいないのですが、途中で泣きそうになりました。夢主の思ってることが凄い現実的で、感情移入してしまいました!最後まで読んできます!すてきな作品、ありがとうございます! (2020年11月30日 17時) (レス) id: 5b49601941 (このIDを非表示/違反報告)
くまゆか - こんにちは!日向翔陽義妹いるんだってからこさしてもらいました (2020年10月1日 19時) (レス) id: 0a5d1e7901 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏蜜柑 | 作成日時:2020年5月30日 8時