虹のしたで始まる恋。 (ページ4)

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ー飛穂sideー

今日は久しぶりに生徒会が休みで愛結心と帰れる。

朝はいつも一緒だけど帰る時間はバラバラで一緒に帰れるのは特別。

でもそう思ってるのはオレだけで愛結心はなんとも思ってないらしい。

一緒に帰ろうっていうとすぐにいいよって言ってくるから、愛結心には特別な人が居ないんだなって思ってちょっとほっとする。

オレ最低だなって自覚はあるけどしょうがないじゃん。

愛結心が優我の話をする度に『なんでアイツなの？』ってイライラする。

オレの方が愛結心のことわかってるし、
オレの方が絶対愛結心笑わせれるし。

オレじゃダメかな？って。

愛結心のこと好きだけど、
好きって伝えたらなんて言うだろう。

この関係が壊れてしまうのが怖くてオレは何も言えない。

_____________

「ごめんごめん。遅くなりましたー！」

愛結心の声が聞こえる。

「遅すぎ...」

そう呟いてみたけど、ただのひどい奴だよね。

「ねえ、愛結心。
はやく優我にコクればいいじゃん？」

さっきもうしないって言った話だけど今度はちゃかしじゃなくて真剣な話だから。

「黙ってたって何も伝わんないよ。」

愛結心は明らかに嫌そうな顔してうつむく。

「なんでって、別に仲いい訳じゃないし。
フラれたら嫌だし。

それに！私なんかよりお似合いな人がいっぱいいる...」

話しながらどんどん泣きそうになっていく。

オレだったら絶対泣かせないし。とか思ったけど、オレと愛結心はただの幼なじみ。

モヤモヤだけが膨らんでいく。

「やってみなきゃわかんないじゃん。
やんなきゃ初めからバツなんだから。」

自分だって言えてないのに人のこと応援して、
ましてや自分の好きな人で...

なにしてんだろオレは。

「だよね。頑張ってみるよ。」

オレがやってみればって急かしたのに
いざとなるとなんか、悲しいな。

カッコつけて言ってみたはいいけど
一番オレができてないよな。

愛結心のためにはとか言い訳しつつ、
もしフラれたらオレのとこに来ないかなとか、
サイテーなことを考えたりもした。

.

オレってやっぱサイテーだよな...