プロ野球選手に惚れました 短編小説

笑顔 片岡治大 ページ8

一目惚れだった、交流戦で見かけた彼女、
そのときは巨人戦だったかなぁ、おそらく球団職員であろう彼女に、

笑顔で選手に応対する彼女に、


その笑顔を俺に向けてくれたこともししっかり覚えてる、


西武ドームで迷ってた彼女がいて、
チャンス、と思って歩み寄った俺の足取りは周りから見ればぎこちなかっただろう、


片岡「あの...もしかして、迷ってます？よかったら案内しましょうか？」


A「！？、あっ、ありがとうございますっ、出口に帰れなくなっちゃって...もうみんな出発する頃なのに...」


片岡「出口までなら一緒にいきますよ」


A「すみませんっ！ありがとうございます！！」


片岡「気にしないでください、行きましょうか」


出口前で坂本くんとか、長野くんとかが彼女の事待ってて、


長野「おーい！Aちゃん早くー！」


Aさんって言うんだとか、思いながら彼女に目をやると、


A「片岡さんっ、ありがとうございますっ！！とても助かりましたっ！」


憧れてたその笑顔を俺に見せてくれたときの嬉しさといったら、


それからしばらくたってから俺はFAで巨人に来て、
春季キャンプの日、勝手がわからなくあげくのはて迷いながら、
ふと目をやると、そこには憧れのあの笑顔、

彼女は俺に気づくと、


A「お久しぶりですっ！以前お世話になったものですが、覚えてます...？」


覚えてないわけがない、久しぶりに見たその笑顔も変わらず輝いていた、


片岡「もちろん覚えてますよ、西武ドームで迷ってましたよね？」


A「うぅ、その節は...でもっ！片岡さんも今迷子でしたよねっ！おあいこですっ！今度は私が案内しますねっ！」


あぁ、その笑顔にどれだけ憧れただろう、
今は近くにあって、でもそれだけに遠く感じて、だけど、今はその笑顔を見れることに感謝して、


片岡「おねがいします！」


少しずつ、少しずつ、君のことを知るために、

心配 杉内俊哉→←皆のもの、俺のもの 鳥谷敬

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