【ハイキュー！！】花魁【進撃の巨人】 (ページ20)

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ゼェ…

ハァ…

ゼェ…

ハァ…

店を出てから、かなりの時間を歩いている

足を酷使する事のない、俺たち二人は

疲れ切っていた

「ゼェ…一ノ瀬…どっかで休もうぜ
このままだと俺…ｯ、干か、らびちまう…ｯ」

『ゼェｯ…そ、うだな…ｯ、俺、も…喉が…ｯ、乾い、た』

すると、ちょうどいい所に茶屋があったのでよろよろ、と駆け込んだ

「いらっしゃいませ！
ご注文は何になさいますか？」

注文をすると
「はい！承りました！」
と、眩しい限りの笑顔で奥へ駆けて行った

『眩しい…』
「だな…」

まだ、ぎりぎり10代の俺たち二人がおジジのようだ

「にーちゃんら、いい着物着てんねぇ」

白髪混じりの優しそうなおじさんに声を掛けられる

『ありがとうございます』
片桐もペコリと頭を下げる

「どっから、来たんだ？」
独特の訛りがある

「江戸からです」

爺さんは目を見開く
「あの天下の大江戸からかァ…」

その後、一緒に話をしていると爺さんは江戸に憧れてるそうだ

爺さんの顔を見ていると、ものすごく楽しそうだった

しばらくすると、爺さんは用事があるからと去っていった

「すげー爺さんだったな」
『おう…』

注文した品物がやっとこさ俺たちの下に届く

周りの目も気にせずお茶を流し込む

『っはぁ…、美味い』
「あぁ、うめぇ」

疲れている体にじんわりと沁みる

もっちゃもっちゃと団子を頬張る

喉に詰まらせて噎せている片桐にお茶を渡し残りの団子を食べる

食べ終わるまでに色々な客が出たり入ったりしていた

江戸の楽市しか見た事がないから

他の町が

こんなにも賑わっている事を知らなかった

新しい事が知れて良かった、と

ほくほくしながら歩き始めた

「お客さーん、お勘定はー？」

『あ、』

「ぅおいおい、何やってんだよ」

『お前、俺に払わせる気か』

「おう、頼んだ」

『てめぇ、このやろー』

まだまだ、旅は続く