検索窓
今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:126,905 hit

友人 ページ9







日が落ちる前に少しだけでも剣を振っておこうと、俺がいつも通り庭に立てば、小芭内とAが近くで見ている。









「小芭内も鬼殺隊に入るの?」


「鬼殺隊…?」



Aが小芭内にそう聞いたのが聞こえ、俺は思わず剣を振る手が止まってしまう。









「鬼と戦う人達のことだよ

鬼から人を守ったり、鬼を倒したり」


「…」





小芭内はそう説明するAを見つめたあと、俺に視線を移す。








「…Aは入らないのか?」


「入らないよ。鬼は普通に怖いし、

他人のために命をかけるなんてできない。」



そう目を細めるAは、15になれば鬼殺隊に入ることになっている俺に悪いと思ったのか、ごめんねと謝って、少し笑う。








鬼が怖い。

自分が一番可愛いものだ。




いつもそう言って自分を卑下する癖に、Aは鬼との共存を夢見ている。







数ヶ月前の話だが、その話を聞いた時、俺は柄にもなく、Aと喧嘩してしまった。








数々の者が鬼に食われ、愛するものを失ってきたというのに、なぜそんなことが言えるのか。


鬼は醜い、巨悪であると、そう強く主張する俺に対して、Aは珍しく冷静を欠いた声で反論してきたのだ。









『鬼も人間だったんだよ』


















「そうだ!

小芭内も杏寿郎と一緒に振ってみなよ!」



俺がそんな過去のことを思い返していると、Aの元気な声で急に現実に引き戻される。




またまた突拍子もないことを言うAは、ブンブンと下手くそに刀を振る動作をして、ほらあそこの使っていいからなんて、父上の物を使うよう勝手に勧めていた。



















「A、今日もうちに泊まっていかれますか?」


「はい!もちろんです!」



この頃、Aは次の日に学校が休みだと、必ずうちに泊まるようになっており、Aの母上も煉獄家ならと許容しているらしい。







「杏寿郎と小芭内、先に入っておいでよ」



私は瑠火さんと千寿郎と入るから!と、随分母上を気に入っているらしいAは、家に来ると瑠火さん瑠火さんと、俺よりも母上に興味があるようだった。









友人→←友人



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (182 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
707人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:西川あや x他1人 | 作成日時:2020年10月31日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。