ひと夏の恋模様 ページ40
長く息を吐き、吸う。
今は真夏だと言うのに、冷や汗が垂れる。
大きく深呼吸して、インターホンを押す。
少し遅れて雑音とともに、
声が聞こえた。
「……蒼汰。なに?」
「勉強教えて下さい!」
と、俺が言うと蒼は、マイク越しに溜息をつく。
そしてガチャりとドアを開けた。
俺には女子の服の、流行とかはよく分からないが、
蒼によく似合っている。
「どーぞ」
「お邪魔します」
俺が靴を揃えて、中に入ろうとすると、
蒼は制した。
「片付けるからちょっと待ってて」
蒼がドアの向こうに消えると、
俺は両手で顔を覆った。
俺はさっきまでちゃんと話せていただろうか。
やはり、好きな人と話すと緊張するものだ。
でも俺は結構恵まれている方だと思う。
幼馴染だし、同じマンションに住んでいる。
もしかしたら蒼も俺のことを。
そういう都合の良い展開をどうしても考えてしまうのだ。
ドアからひょこっと蒼が顔を出した。
「片付いたよ。お母さん達七時くらいまで帰ってこないけどいい?」
二人きり。
俺は心の中でガッツポーズしながら、
平然を装い、
「いいよ」
と言った。
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みき(プロフ) - のんこさん» 可愛いだなんて……ありがとうございます (2018年3月17日 17時) (レス) id: 46c09611b4 (このIDを非表示/違反報告)
のんこ(プロフ) - 毎回毎回、お話が可愛すぎて…・゚・(。>д<。)・゚・きっと、作者さんは可愛いお方なんだろーな…((´∀`*))最後まで頑張ってください!!見守ります!! (2018年3月16日 19時) (レス) id: eb60c4dd1a (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - のんさん» ありがとうございます! (2018年3月11日 18時) (レス) id: 46c09611b4 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - みきさん» こんにちは。「いきたがり」読み直させていただきました。機械的で、どこか傍観者で、助けられなかった当事者の後悔がよく見えて素敵です(´∀`)他のお話も楽しませていただこました。蒼と蒼汰は混乱しましたが注意書きで理解しました。可愛らしいお話でした(*´▽`*) (2018年3月11日 18時) (レス) id: 4e18fefbbe (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - のんさん» アドバイスありがとうございます!私なりに変えてみました。どうでしょうか? (2018年3月6日 20時) (レス) id: 46c09611b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みき | 作者ホームページ:
作成日時:2018年1月31日 22時