【男主】もう一人の六年生は任務中 玖【忍たま】

失う覚悟 二段 ページ27

side A

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茨の道でも

道は道







随分と昔の記憶に

俳人を見つけた。


















？「松島や 鶴に身をかれ ほととぎす」


『どういう意味？』


？「さぁな。松島は美しい所だってくらいか。そんな事を誰かが言っていた」



















その記憶に色や形は無い。

ただ真っ暗な空間。

声だけが残る記憶。







その意味を知りたくて、

長い時を費やした。






けど、結局解らず。

いつしか記憶からも霞んでいった。






ある夜、

俺は誰かに連れられて…



気付けば知らない土地。









そこでは俺と同じくらいの子たちと

木刀で支配する大人達。



時には真剣を見せては脅してきた。




俺達は忍びとして此処にいるのだと悟る。

ここは伊賀の国なんだと…









精神的にも身体的にも

疲労は限界を超えていた。









ある日突然、

記憶が消えた。









最近の記憶は覚えているものの、

此処に連れて来られる前の記憶は無い。





思い出そうとはしなかった。







恨んではいない。

憎みもしない。

復讐なんて考えてない。




今となっては何に対してなのかは、

思い出せないが…






人間そういうものだと割り切った。

それはこの伊賀の国を見ていて実感する。



















けど、ふと……

懐かしいと感じる時がある。







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