【男主】もう一人の六年生は任務中 玖【忍たま】

大運動会「届かぬ三分」三段 ページ3

side 猪名寺乱太郎

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私は尾浜先輩の言葉と同時に

きり丸に飛び掛る。




それをきり丸が軽々と躱していく。



















乱太郎「くっ……！ まだまだー！」


きり丸「よっと！ これでも避けるのは得意なんだぜ」


















きり丸とはいつも一緒に遊んでるから

こういうのは得意なんだって分かってた。




しかも帯の位置が低すぎて

余計に届かない…





そろそろ三分かな…


諦め掛けたその時、



















チャリン



















乱太郎「ハッ！ この音は…」


きり丸「アハッ！ 小銭の音ォ！ ドコ！？ ドコ！？」


乱太郎「きりちゃん……」



















私の耳にも素直に響いたその音は

きり丸の大好きな小銭の音だった。




そのおかげで、

きり丸は競技どころじゃないみたい…



















尾浜「そこまで！ 負けた者は待機場所へ戻るように」


しんべヱ「乱太郎！ きり丸！ どうだった？」


きり丸「ハッ！ そうだ！ 競技の途中だった！」


乱太郎「いや、もう遅いって…」



















終了の言葉を聞いて

帯を取れなかった生徒と取られた生徒は

待機場所へ戻っていく。



そして私の手には帯…



















きり丸「小銭の音がしたから、つい……」


しんべヱ「僕も負けちゃった…」


きり丸「仕方ない、一緒に戻るか。乱太郎、頑張れよ！」


しんべヱ「応援してるね！」


乱太郎「ありがとう！」



















二人も待機場所へ戻っていく。



この勝負、

きっと私はきり丸に勝てなかった。




小銭の音…

どこから聞こえたのかは解らないけど、

結構近い場所からだったような…






そんな事を思いながら

次の一戦が始まろうとしていた。




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