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story*142 ページ47

夜勤の使用人以外、誰も居らん廊下。

俺達を照らすのは小さな壁掛けのランプだけで、その薄暗い中で掴んでた神ちゃんの腕を離した。





重「もう22時やから仕事終わりやし、自分の部屋戻るやろ?ちょっとお邪魔してい?

俺が何の為にEAST帝国に行ったのか…そこで何があったのか…色々話したいねん。」



神「…分かった。その代わり、ちゃんと納得させてや。今日、しげは自分の仕事を放棄したんやからな。」



重「ん、分かってる。」





王様の許しを得ての事やけど、神ちゃんに仕事を押し付けて身体に負担を掛けさせてもうたのは事実やし、相棒である筈やのに何の説明もせえへんかったのも事実やから…

きちんと全部、嘘偽り無く話す為…2人で静かに廊下を歩き、俺達の住む王宮別棟の使用人居住専用の建物に向かって、1階まで螺旋階段を下った。















神「えっ、EASTに行ったのは陽葵様の為…?」



重「おん。陽葵様を奪おうとしてる東がどんな所なのか、この目で見ておきたかったんや。」





…王宮本殿から出て暫く歩いた先にある、アパートのような大きな建物。

そこの1階にあるBエリアの002号室…神ちゃんの部屋で、それぞれ仕事服を着替えた部屋着姿で向かい合い、EAST帝国の話をするっていうのは、何だか変な感覚。





神「それで、どーやったん?実際EAST帝国は。…やっぱりテクノロジーとか、こっちとは比べ物にならんくらい進んでんの?」



重「いや…正直、想像してた近未来的な感じとは真逆やったよ。俺が行ったエリアがカースト最下層民の居住地区やったってのもあるけど…うん、驚いた。

俺と歳が一個しか違わん子がさ、幾つもバイト掛け持ちして、やっと弟と2人で食べていけるような環境で…体が弱いのに、病院はともかくドラッグストアも無くて…同じ村に住む子も去年、沢山亡くなってしまってんて。

…でもな、それを"仕方ない"って言うんやで。世界を変える力なんて…持ってないから。」





神ちゃんに一言一言話す度…脳裏に浮かぶ、宏太くんと慧くんのあの表情…瞳。

どうしようもない怒りが込み上げてきて、どんどん口調がキツくなってくるけど…神ちゃんは何も言わず、黙って話を聞いてくれて、何度も何度も頷いてくれた。

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和音(プロフ) - 祐莉さん» いつもコメントして頂き、ありがとうございます(^^)これから益々物語が展開していきますので、是非楽しみにして頂けたら嬉しいです!これからもこの作品を宜しくお願い致します(^^) (2020年2月14日 23時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
祐莉 - 楽しく読ませてもらってます!イースト帝国の闇は深いですね! ウエスト王国もイーストに侵略されれば同じような状況になるのは、明白だから今後ウエスト側がどう動くか気になります! (2020年2月13日 15時) (レス) id: ea9cf53e18 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けると、とても励みになります!これからもこの作品をよろしくお願いします(^^) (2020年1月9日 18時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 更新を楽しみにしております。 (2020年1月9日 1時) (レス) id: c08660417e (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - すごく面白いです。 (2020年1月9日 1時) (レス) id: c08660417e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:和音 | 作成日時:2019年12月28日 17時

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