doll＊469 ページ29
青｢…お父様の、、アトリエ…｣
櫛｢えぇ、そうです。
…まぁ、もう5年以上ドール製作はしていらっしゃらないので、物置になってしまっていますが…｣
青｢…え？…お父様は…何より人形を作る事がお好きやったのに…何で…？｣
櫛｢…それは、お会いになれば…自ずと分かります。｣
意味深な言葉に、一気に頭に大量のハテナが浮かんだけど…一瞬だけ見えた櫛引の複雑な表情に、それを問い詰める事はせえへんかった。
でも、櫛引は直ぐに表情を元通りに、俺の先を歩き出して…廊下に並ぶ壁掛けの小さなランプを一つ一つ点けていく。
櫛｢…行きましょう。貴方のお父様は、隣の部屋ですよ。｣
青｢…おん。｣
色々と気になる事は多いけど、今はまずお父様にお会いせなあかんから…
人工精霊たちを集めて手に乗せ、ランタン代わりにしながら…奥へと進む櫛引の後に続き、長く薄暗い廊下を歩いた。
･･･
櫛｢こちらです。…さぁ、お入りください。｣
…広い屋敷とはいえ、隣の部屋。
俺の足でもあっという間に着いて、お父様のお部屋の大きな扉の前に立つ。
青｢…お前は入らんのか？｣
櫛｢えぇ。ローゼン様が、息子以外通すなと。
…勿論、秘書である私も入る事は出来ません。｣
青｢…そう、｣
…お父様の言いつけなら…守らな、な。
”行ってらっしゃいませ”
…そう言って櫛引が開けてくれた扉の中に、俺一人…人工精霊も連れずに入った。
(ｷﾞｨｯ…ﾊﾞﾀﾝｯ)
青｢ｯ…！｣
背後で扉が閉まった大きな音に驚きつつ…沢山のキャンドルの火が揺らめく部屋の中へと、導かれるように進む。
…すると、月の光が差し込む一点だけの仄明かりの下に、大きく…そして豪華なベッドがｷﾗｷﾗと輝いてた。
青｢…お父…様…？｣
…直感的に、そこにお父様がいらっしゃるって思って、俺は…あのベッドに向かって走った。
…そしたら、俺の編み上げブーツの高い踵の音が思いの外響き、ベッドの中の人物の耳にも届いたらしく、ｶﾞｻｯと掛け布団が擦れる音がして…
…そして、、あの懐かしい声が聞こえた。
《誰か…いるのか…？》
青｢ｯ…！！｣
…普通の人より少し低くて、誰よりも優しく柔らかい。
この声は…間違いなく、、お父様。
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みゅー - とても面白かったです！引き込まれました！！素敵な作品ありがとうございます(*´ω｀*) (2020年4月2日 0時) (
レス) id: dcdf60e661 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - てぃてぃさん» コメントありがとうございます！作者自身若干の不完全燃焼に加え短編集を読みたいという方もいらっしゃいましたので、いつか庭師の双子の活躍も実現できたらいいなぁと思っております(^^)なお、予定については未定ですので、作成出来ない場合もありますm(_ _)m (2019年10月10日 20時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
てぃてぃ - 続編と言うかわからないのですがダイキとトモヒロの二人揃ったときの「夢の庭師」の活躍を見たいです！ (2019年10月5日 1時) (レス) id: 918ca3f2a8 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - Nagihimeさん» コメントありがとうございます。お返事遅くなりすみません！そう言って頂けると、とても励みになります！現在連載中の【小さなセカイの中で。】シリーズも宜しくお願い致します(^^) (2019年10月1日 19時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
Nagihime - 凄くおもしろかったです!!!!私は室担の黄色ジャス民なので、ジュンタとリュウタが出てきて嬉しかったです!!これからも応援してます!!!! (2019年9月26日 17時) (レス) id: b07ee6c15c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2019年5月28日 9時
