doll＊398 ページ8
黄｢…ん、｣
櫻｢ねぇ、ジュンタ…ここ。｣
翔はそれだけを言うと、自分の座ってる真っ白なベッドの空いてるスペースをポンポン叩いて、小さく手招きした。
…やけに嬉しそうな表情で、小さい子に【おいでおいで】とでも言うように。
櫻｢ジュンタの…特等席でしょ？｣
黄｢…｣
…いつもなら、いや…前までは、悪態でもつきながら【仕方ない】って感じに行くとこやけど…
翔を…少しの間やけど失って、分かったんや。
素直にならな、いつか後悔する時が来るって。
…せやから俺は、呼ばれた通り素直にベッドへと近づいて、翔の隣に腰を下ろした。
黄｢…何、｣
翔の方から来いって言うたくせに黙ってるから…何やねんとか思いながら翔の顔を見上げると、めっちゃ驚いた表情のまま止まっとって…
俺が脇腹を突っついてやったら、我に返ったようにハイテンションになった。
櫻｢えっ、えっ、ジュンタ素直なんですけどっ！
…何で何でっ、不可思議現象？
そういえば、目つきもなんとなく優しい気が……何かあったのっ？｣
黄｢…五月蝿いねん、、｣
櫻｢あっ、良かった。ツンデレは健在だ。
…でもでも、本当に何があったの？
ほらっ！マスターに教えてみんさい！｣
黄｢…別に。強いて言えば弟と和解したくらいやけど。｣
翔にはあえて、
【お前が居らんくなっても、後悔せえへんように】
…とは口に出さんと、リュウセイとの事だけを伝えた。
せやけど翔は…お見通しやって言いたげに、ふっと微笑んだ。
櫻｢素直なジュンタも好きだよ。
…でも、俺は多分まだ死ねないから……ちょっとぐらい毒づいてくれた方が、落ち着くな。｣
黄｢…ドMか。｣
櫻｢あれ…確かに。
…でもまぁ、ジュンタに何を言われたって…話せるだけで楽しいし、ドMでもいいよ。｣
そっと翔の冷え切った手が俺の頬に触れ…まるで割れ物を触るように、優しく…優しく…撫でた。
そしてその手を離し…今度は俺の肩を抱くと、自分の方へと俺の体を倒して寄り掛からせた。
…俺は、そこから逃れようとも…翔の手を引き剥がそうともせず…
痩せこけて骨張った翔のお腹あたりに身を預け、この【幸せ】な瞬間を全身で感じる為に、目を閉じた。
…この時間が永遠に続けばええのに……なんて、柄にもない事を考えながら。
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ななみ(プロフ) - アキトおおおおおおお泣うわああああああああ(´Д⊂ヽ朝から全部読んで感動しました泣決着の予想は付いていたが読み進めると悲しい気持ちになりました泣ジュンタくん！！アキトくん大好きだよ！！ (2022年11月22日 6時) (
レス) @page29 id: c060af3ed8 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - ８７８さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けると嬉しく、とても励みになります(^^)これからもこの作品をよろしくお願い致します(^^) (2019年4月20日 19時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
８７８ - いつも更新を楽しみにしてます！vol.9の更新がんばってください！ (2019年4月20日 19時) (レス) id: e0fce50eaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2019年4月20日 14時
