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4-2*嫌イ ページ14

時は経ち、放課後。


今日はあの人に何も言われてない。



このまま帰ってもいいのだろうか。





不安になりながら鞄に教科書を詰め込んでいると、右肩をつんつんとつつかれる。






「…今日は一緒に帰れる?」






今朝の会話のせいか、ちょっと暗い…というか私を心配そうな顔で見ている。


気遣わせちゃってるのかな…。





「えー…っと……多分帰れると思、」




今日の出来事を思い出しながら、やっぱり何も言われてないことを確認した私。





その時視線を感じて、何となくそっちを見ればあの人と目が合った。






普のすぐ後ろであの気味の悪い笑みを浮かべているあの人と。



急に固まった私の視線を追い、桜宮(さくらみや)美香(みか)さんを見ると顔を少し顰めた普。







桜宮さんはいつもの営業スマイルに切り替えた。







「神崎さん!私達、先生に呼ばれてたでしょ?まさか忘れちゃってたの?」




「え?……っ、あ、そうだったね…忘れてた!」



そんなこと言われてないので普通に聞き返すと、桜宮さんから鋭い視線が飛んできたので適当に話を合わせる。




「ってことでごめんね、あまねくん!
あの先生話長いし帰っていいよ!」




桜宮さんは何故か普の手をぎゅっと握った。





…は?



手握る必要はないでしょ?


無関係な貴方が勝手に決めないで。






ついそんなことを考えてしまう。


所謂"嫉妬"だ。






「え…いや、俺待ってるよ。」





優しいなあなんて思いながら、ちゃんと断らないとまずいっていうのは昨日よく分かったので焦る私。


適当に言っておこう。






「先生に話したいこともあるから、気にしないで帰ってて。」




そう伝えても顔が曇ったままの普。

というかさっきより曇っている。





「…で、でも、」








なんで今日はそんなに一緒に帰りたがるんだろう。


気のせいだろうか。






もう1度どうにかして帰らせようとした瞬間。






「…あ!神崎さん、時間やばいよ、早く行こう!」


「あう、」



早く行きたいのか、強い力で私の腕を引っ張り教室から走り出す。




「え、ちょっと!」



普が声を上げるが桜宮さんは止まらない。


…はあ。



絶対待ってくれてるやつじゃんか。




ばーかばーか。


キライ。









「家庭科室の使用許可ください!」


「あら、今日も熱心にお勉強?
偉いわねぇ!」





お分かりの通り。

私は彼女、桜宮美香さんにいじめられている。

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ハヒフ - そこでやめないでくれぇピエン (2022年2月21日 21時) (レス) @page19 id: ee79ae4f81 (このIDを非表示/違反報告)
刃華禰 - 更新待ってます!! (2020年3月25日 14時) (レス) id: 022f9f82f7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきもち。(プロフ) - そうなんですね!ありがとうございました! (2020年3月16日 10時) (レス) id: 9402601da5 (このIDを非表示/違反報告)
ニノミ(プロフ) - ゆきもち。さん» すみません…わからないです…。本作品のcssは他の作者さんが配布していたものを使用しているのですが、その作者さんがいつの間に占ツクを退会されたのかアカウントが消されていて配布も行っていないようです。お役に立たずごめんなさい…。 (2020年3月16日 10時) (レス) id: 913fcb9d41 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきもち。(プロフ) - cssのパスってなんですか?? (2020年3月16日 0時) (レス) id: 9402601da5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ニノミ | 作成日時:2020年2月18日 20時

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