マネージャーから始まる恋。【ARS】Part6 (ページ3)

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125.初恋の音色ページ3

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彼は肩をハアハア…と上下させながら私の元に走って来た。

数日ぶりに見る和はやっぱり悔しいけどかっこよくて。

…でも雫ちゃんが居るんだって考えると届かない場所にある、って思い知らされる。

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和「…何一人で勝手に行ってんだよ」

和がボソッとそう呟いた。

あ「ごめん。…でもみんなの顔見たら寂しくなっちゃうから」

和「あんな手紙置いて行くなんて。…んなのズリぃだろ」

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和の顔が今まで見たことないくらい切なそうだった。

何それ…そんな期待させるようなこと言って。

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あ「和だって…和だって！せっかく私が和のこと忘れようと」

駄目だ。泣きたくないのにこんなんじゃ…和を前に涙我慢するなんて無理だった。

あ「…」

涙で目の前が霞んでまるで何も見えない。

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こんなところで泣きたくない。

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でも、気付いたら温かい温もりに包まれているような感覚が。

…え？何？

うっすらと目を開けるとそこには私を抱きしめる真剣な面持ちの和が居た。

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あ「ちょ…やめてよ。みんな見てるって」

和「…」

あ「…和」

和「やめない」

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和の匂いをこんなに近くで感じられるなんて…たとえ偽りでも嬉しい。

雫ちゃんが居る、って分かっていても。

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しばらくしてゆっくり身体を離されると、和は私の涙を指で拭った。

そうして私に目線を合わせて、消えちゃいそうなくらい優しく微笑んだ。

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和「一回しか言わないからよく聞いてよ？」

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ゆっくり頭を頷かせる。

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和「…俺、Aのこと好きだよ。

だから俺と付き合って下さい」

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そうした瞬間ゆっくりと唇が重なり合った。

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