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和はかなりの体力を消耗したのか、一度も起きることはなくて。
その日は俺らが交代で和の様子を見てあげた。
そうして迎えた次の日。
１番に起きてみんなの朝ごはんを用意していると、
バタバタと誰かが慌てるような音がした。
すると、リビングに顔を出した翔さん。
翔「潤、にのが過呼吸起こしてる」
えっ...
持っていた調理器具を床に落としてしまった。
俺も急いで上へと向かう。
潤「和っ」
和は呼吸を荒くさせていて
翔さんが必死に落ち着かせようとしていた。
翔「だめだ、俺が気づく前から過呼吸起こしてたみたいで、もう唇が紫色になってきてる」
それに加えて手は少し痙攣していて。
俺の中で危険信号が光る。
潤「和？聞こえるか？大丈夫だよ」
そう言って昨日大野さんがしていたように優しく抱きしめてあげた。
どれくらい時間が経ったのだろう。
ようやく和の呼吸が落ち着いてきて。
翔「落ち着いてきたね」
潤「はぁよかった」
和「んっ...おれ、、」
和は俯いていた顔を少し上げ、何かを言おうとしてる。
潤「ん？どした？」
和「おれっ、はぁっ...こわいっ、、」
そう言って苦しさから出る涙ではなく、
不安からくる涙を流した。
潤「大丈夫。俺たちがずっと側にいるから」
腕の中に収まっている和の髪をふわふわと撫でる。
今すぐにでもその恐怖を取り除いてあげたい...
それからというものの、和は精神的に不安定になり、頻繁に過呼吸を起こすようになってしまった。
それも時と場所を選ばず。
テレビを見ているときに呼吸が怪しくなったり、寝たと思ったら布団の中で苦しそうにし始めたり。
それに和は毎回、過呼吸を起こすたびに「こわい」って涙を流すんだ。
その気持ちがある限り、和はずっと悩まされ続けるんだと思う。
俺には何ができるんだろうか、、
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作者名：Kai | 作成日時：2020年7月11日 11時
