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「こんばんは!Aくん!ポセイドン様!」



「こんばんは。クロウリーさん。」


「どうも。ディア。」


引き戸を開けるか否や挨拶をするクロウリーさんに俺らも挨拶をする。


俺らの手荷物を見てにっこりクロウリーさんは目を細めた。




「言った通り準備はできてますね!優秀優秀。



それでは、二人ともひとまず棺の中に入ってください!」



「えっもう!?」


「はい!他の生徒も連れていかなきゃいけないので時間が押しているんです…。


ほらッ、そうと決まったら早く黒馬車の中に入った入った!」



棺はその中にあるから手荷物は横に置いといてくださいと追加で言うクロウリーさん。



そう言われて目を凝らしてよく見ると闇夜に紛れて黒馬車が二つ(?)迎えに来ていた。




「うわっびっくりした。…本当だ。」


「……A、貴方はそろそろ夜目に慣れたほうがいいですよ。」


びっくりする俺と裏腹に呆れたようにこっちを見る神様。





「さ、乗りますか。


Aはそっちに乗ってくださいな。私はこっちに乗ります。」



そう言いながら俺の手にお守りを握らせる神様。万が一です、と神様の目線が言っているような気がした。


コクリとうなづくと満足げに神様は微笑む。



「それじゃ、また後で。」


「ええ、また後で会いましょう。」



5年間の中で初めて離れる。


それが少し心細くて、黒馬車に乗る寸前に手を振ると同じように神様も手を振り返してくれた。




いや!!!まあ後で会えるんですけど!!!!でもそれでも寂しいものは寂しいじゃん!!!!



心の中の葛藤を抑えながら俺は言われた通り荷物を端の方に置き、棺の中に入り込んだ。




パタン、と蓋が閉まって暗闇が訪れる。



棺の中の謎の白いふわふわが俺を包んでほのかに暖かい。




棺の中で丸まった俺の耳に入ってくるのは微かな波のさざめきと車輪のガタガタとした音だけであった。

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真昼の空 - なんで更新停止になっちゃってるのぉぉ?!むっちゃ面白いのに!更新してください!お願いします!! (2020年11月11日 6時) (レス) id: 8540b78713 (このIDを非表示/違反報告)
めんたいこ - めっっちゃ面白いです!!!神様優しい……続きを楽しみにしてます!無理せず、頑張ってください(●´▽`●) (2020年8月20日 4時) (レス) id: c9c3cb9cb6 (このIDを非表示/違反報告)
八代(プロフ) - 水性lemon色彩さん» へへ〜!!いい所に気づきましたね…!!そのうちそこは回収するのでよろしければ続きを楽しみにしていてくださると嬉しいです…!もうちょっと先になるかと思いますが…。返答になってなくて申し訳ないです…! (2020年7月1日 0時) (レス) id: 330676bcc5 (このIDを非表示/違反報告)
八代(プロフ) - 暇人パーリナイさん» わ〜い!!愛読…!!なんと嬉しい響き…!!ありがとうございます!ゆ〜っくりマイペースにちまちま頑張ります、、!ありがとうございます…! (2020年7月1日 0時) (レス) id: 330676bcc5 (このIDを非表示/違反報告)
八代(プロフ) - ネオさん» む、むちゃくちゃ嬉しいですね…!!?!へへ、ありがとうございます!!たくさん読んでやってください、ちまちま頑張りますね!ありがとうございます!好きです! (2020年7月1日 0時) (レス) id: 330676bcc5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:八代 | 作成日時:2020年6月27日 11時

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