【ツイステ】異世界生活五年目、黒馬車にお迎えされました。【男主】

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入学式前日。


夜の１０時くらいに迎えに来るとクロウリーさんから伝えられ、俺らはそれに合わせて準備をしていた。



「A、すみませんがちょっと帯締めるの手伝ってくれませんか？」


「おっけ、じゃあちょっと神様両手バンザイして。」


すでに着替え終わっている俺に反して式典服を着るのに手間取る神様。

お願いされベルトをキュッと締めて、調整をする。


な〜んかこの服、刺繍が豪華すぎるんだよな…。




「どう？キツくない？」


「ええ、いい感じです。」


ありがとうございます、と礼を言う神様。






昨日洋服一式が届き、二人で一旦試着をしてみたがそこで気づいたことがある。


なんと神様、和服は着れるが洋服は着たことがなく、式典服はもちろん、シャツでもめちゃめちゃ着るのに苦戦していた。


ボタンかけるのに一個一個無茶苦茶時間かかってたし
かけ間違いも酷く、ズボンのチャックを見てマジで不思議そうな顔して「これなんです？」とか言う始末。



いつもはあんなに頼りになる神様が幼稚園児と同じくらい不器用になるのがおかしくて笑いそうになってしまった。

いや、それ以上かもしれないな。



「Aはすごいですね…。私、どうやってもこの服の仕組みが良くわかりません…」


「そのうち慣れるよ。慣れるまでいくらでも付き合うし。」


助かります、と言いながら式典服が気になるのかフードを被ったり外したりする神様。


フードが珍しいんだろうなぁ。


流石に神様といえどみんながみんな完璧で全知全能じゃないってことを学んで少し微笑ましくなった。








「あっ、ねえA！！ちょっと見てください！

ここの袖口のところ少しだけ縫ってあげると羽織みたいになりません！？中に小物入れられますよ！」



「いや大事な式典服を改造しようとすな」

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