第三十五話 ページ38
『……それで、貴方はどこまで覚えてるんですか？』
「僕、全部覚えてるよ？学園のことも、みんなのことも、……もちろん、あの日のことも」
それを聞いて、静かに目を閉じる。
忍術学園の記憶が頭の中を駆け巡った。
私はあの日、きっともっと、何か出来ることがあった。
『そう。……あの日のこと、本当にごめんなさい。私は、私達は貴方達を守らないといけなかったのに』
どうしても、“もしも”を考えてしまう。
ただただ、今は後悔の念でいっぱいである。
「えっ、なんでAちゃんが謝るの？やめてよ、Aちゃん。僕、そんな話がしたいんじゃないんだよ？」
タカ丸の言葉を聞いて、頭を上げた。
彼の目は、昔と変わらない優しく柔らかい目。
『……貴方は、他のみんなには会えましたか？』
話題を変えた、と言っても完全に変わったわけではないのだが。私が最も聞きたかったことの一つでもある。これくらいは許してほしい。
「……ううん。会えてないよ。僕も、SNSを使ったりはしてるんだけど、やっぱり簡単には見つからないよね」
彼は視線を落として寂しそうに言った。
そんな彼に、私が掛ける言葉はただ一つ。
『大丈夫』
はっと顔を上げて、私の目を見る彼に続ける。
『タカ丸。私は皆を集めるためにヒーロー科にいます。
私がヒーローになれば、ヒーローになって知名度を上げて、私という存在を世界に知らしめれば、皆きっと気づいてくれる。
大丈夫、きっとすぐに見つかります、見つけてくれます』
タカ丸の頭に手を乗せて、自分にも言い聞かせるようにそう言った。安心したのか、彼は元気な笑顔を見せてくれた。
元気でいてくれるだけで、私にとっては活力になる。
『何より、もうすぐ体育祭がある。…私は必ずそこで、優勝して見せます。
貴方も見ていてください。瞬き厳禁ですからね？』
「…そっか。うん、良かった。
Aちゃんは昔と変わらないままだね」
感慨深そうに、目を細めて笑うタカ丸。
『今日はここでお開きにしましょうか。タカ丸、連絡先を交換しましょう。何か情報を得たら、すぐに教え合えるように』
「うん！Aちゃんも、何かあったら相談してね」
『ふふふ、ありがとう』
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六時の虹(プロフ) - もんちゃんさん» ありがとうございます！この夢主ちゃんやや捻くれてるというか、クセがあると思ってたのでそういってもらえると嬉しいです！ (2022年12月11日 20時) (
レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
もんちゃん - めっちゃ夢主ちゃん好きです！！ (2022年12月8日 20時) (レス) @page46 id: a2e7ecf5df (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - 黒砂糖パフェさん» ありがとうございます！忍たまキャラは近いうちに必ず出すので、それまでこの小説に付き合っていただければ幸いです！ (2022年12月6日 22時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
黒砂糖パフェ(プロフ) - とても面白いです！早く忍たまのキャラが出てくるところを見てみたいです。頑張ってください！ (2022年12月5日 19時) (レス) @page44 id: ebc4dd80bc (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - (名前)カノンさん» コメントありがとうございます。パスワードをかけている作品は、お恥ずかしながら完全に更新が止まっているものでして…。それでもよければ、どうぞよろしくお願いします。 (2022年11月6日 23時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六時の虹 | 作成日時：2022年6月11日 17時
