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「なんで急に佳奈と友達になる気になったの？」
"今から会える？"なんて湧ちゃんに言われて
すぐにYESと答える私は、本当に湧ちゃんを
諦める気があるのかって自分自身に聞きたくなるけど
これもお兄ちゃんの言う"アクション"になるのかな。
「このままじゃいけないって思ったから」
よく昔、湧ちゃんと颯ちゃんとたまにお兄ちゃんも
一緒に遊んでた公園に行けば、既に湧ちゃんが
ブランコに乗っていた。
「...ごめんな、Aの気持ちなんてすっかり忘れて自分のワガママ押し付けて」
「やっぱり忘れてたんだ、湧ちゃん」
「まじごめん。颯太に言われて全部思い出した」
「...でもそれくらい湧ちゃんは佳奈ちゃんのことが好きなんだね」
ブランコを漕ぎながらそう言えば、
湧ちゃんはまた"ごめん"なんて呟いて。
「私ね、湧ちゃんのことまだ好きだよ。諦められるのかも正直分かんない」
「うん」
「でもお兄ちゃんがなるようになるって言うから、それ信じてみようと思って」
「...平塚らしいな」
「佳奈ちゃんに捨てられたら、私のとこおいで」
「顔に似合わず、ひっでーこと言うのな」
湧ちゃんはそう言うと、ブランコを漕ぎ始めて。
...あー、なんか懐かしいなこの感じ。
「一つだけ聞きたいことあるんだけど」
「なに？」
「俺がさ、佳奈と付き合ったって報告した時、本当はなんて思ってた？」
「..."サイテー"って思うよ、私のこと」
「思わないから教えて」
「......"さっさと別れればいいのに" "私の方がずっと好きだったのに" "私のこと好きって言ったじゃん" "何笑ってんのアゴ"って思ってた」
「最後の一言は絶対いま考えただろ！」
「バレた？」
私の言葉に"もー"と呆れたように笑う湧ちゃんは
やっぱりかっこよくて。
「いいな、佳奈ちゃんは」
「ん？」
「湧ちゃんの隣にいれて」
「...Aだって俺の隣にいるじゃん」
「そういう意味じゃないの」
「...いっぱい傷つけてごめんな」
「これ以上傷つけたら許さないから」
「次、Aのこと傷つけたらまじで颯太にキレられる」
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作者名：Tsumu. | 作成日時：2021年1月16日 21時
