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神になった理由 ページ4

『…え、お前らあたしのこと話してたの』

甘露寺「Aちゃんがなんで神様になったのか、気になってるのよ!」

『………あたし行冥に話したことあったっけ?』

悲鳴嶼「………」

『捏造しようとしたなこの野郎』

胡蝶「…でも私も気になります」

冨岡「…俺もだ」

『……うーん、しょうがないから話してやろう』





あたしが神になった理由。





あたしはある一人の女に育てられた。そいつは神だった。





「…右手を前に伸ばしてみろ」

『……』





右手を前に伸ばす。

風がぶぉん、と吹いた。





「……今の風はお前が吹かせたのだ」

『…は?』

「そうでなくても、そうだと信じろ」

『……』

「お前は神である私の子、つまりお前も神だ」





『不思議な人だったよ。…師範は。』





あたし達は山のてっぺんの小屋で暮らした。

産まれた時からそうだったからわかんなかったが、多分相当酸素は薄かった。

ご飯には弓を使って獲た動物を食べ、水は自分たちで井戸を掘った。川が遠かったからだ。





時が経ち、師範の身体は弱っていった。不治の病らしい。





「………私らは神だが、死ぬ時は死ぬんだ」

『…師範』

「なんだ」

『師範の首の龍を、あたしの首にも入れてください』

「…こいつは暴れるぞ」

『…あたしは神ですから』

「…ははっ、こりゃ驚いた。お前は神だから龍も敵わんとな。よく言った」

『…』

「お前はこれから試験を受けにいけ」

『…何の』

「…この世にはこびる悪を倒す為の、だ」

『…』

「この世には鬼がいて人を食うておる」

『…』

「…お前はその鬼を全て殺し、人の願いを聞き届けてこその神なのだ」

『…わかりました』


「最終選別は明日からある」

『…』

「お前には私の刀を持たせてやろう」

『…あたしは鬼を見たことがありません』

「いいや、あるさ」

『…?』

「私が、鬼だ」

『…師範』

「鬼は首を斬れば死ぬ」

『…』

「私に勝てたら、最終選別へ行け」





そういうなり師範は弱っているのが嘘のように逞しい体つきになり、態度は豹変した。

そこからは無我夢中であまり覚えてない。

親であり神であり師範。あたしの最も大切な人。

沢山の鬼を倒してきたけど、師範以上に強い鬼にはあったことがない。





そしてあたしが首を斬った後、





「お前は私の自慢の子だ。私は幸せだった。
…大事なのは呼吸だ。泣いていては上手い呼吸ができんぞ。」




そう言って、塵になって消えていった。

弟について→←あたしは神である



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アメちゃん(プロフ) - ギャァーーーーー続き気になるじゃんかぁーー (2020年9月17日 22時) (レス) id: 4db45bcbc3 (このIDを非表示/違反報告)
うべぇん - 鱗滝のジジイに彫ってもらった麺てwwww誤字脱字が面白すぎてわろけてましww (2020年6月13日 0時) (レス) id: 5654052a0b (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ぎゆさね推しさん» 頑張りまっす! (2020年4月8日 17時) (レス) id: ebc4954dcf (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ゆりなんぽんさん» はい!あいざいます! (2020年4月8日 17時) (レス) id: ebc4954dcf (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) -  鬼滅の刃 loveさん» うわああざます号泣 (2020年4月8日 17時) (レス) id: ebc4954dcf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作成日時:2020年2月26日 21時

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