ひなちゃんの誕生日〜穏やかな時間の中で�� ページ30
ひなちゃんside��
それにしても、長い。
いつまでお風呂入ってるねん。
それも、他人の家のお風呂に。
まさかお風呂に沈んでるんじゃないだろう
な。急に心配になってきた。
「おい、大丈夫か？」
「ん？何が？」
お風呂の中から、呑気な声が聞こえてきた。
まぁ、良かったわ。
「Tシャツとパンツ、ここに置いとくで。」
たまたま着ていなかったTシャツとパンツを
風呂場の前に置いた。
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
あの頃もよく合宿所で風呂の順番、待ってた
なぁ。
もう、早くしろよってよく言ったもんだ。
あの頃は、シャンプーを買うお金もなくて、
けちけち使ってたのに、
貸してってよく頼まれたなぁ。
あいつは昔から何も変わってへん。(笑)
「お待たせ。」
「別に待ってへんで。(笑)」
「さぁ、始めようか。」
「何を？」
「ご褒美くれるって言うたやん。」
「だから、何を？」
「え？マッサージやん。」
「マッサージ？」
「そう。
だから俺、お風呂に入ってきて体柔らかく
してきたのに。」
あー、そういうことね。
なんだ、それならそうと早う言うてくれや。
「お前、何考えてたねん。」
「何も考えたへんわ！」
「はい、はい。」
「お前のマッサージ、めっちゃ気持ちいいね
ん。」
「それはありがとう。」
俺は、ストレッチ用に買ったマットを広げ
「そこに横になれよ。」と言った途端
「ヨコが横になりまーす。」
と言って、大笑いしていた。
やっぱりこいつの笑顔見てると、和むな。
いつもありがとうな。
感謝の気持ちを込めて。
「い、痛いって。(笑)
もっと優しくして〜。(泣)」
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作者名：niko | 作成日時：2020年6月1日 17時
