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「久我先生」
病院の廊下に男性の声が響く。
『はい』
男性「救命の方は慣れましたか？」
『ぼちぼちですね』
男性「期待の星って言われてるじゃないですか！」
『そんな、そんな...木嶋先生こそ今は忙しい時期じゃないですか』
木嶋「この時期は忙しいね！脳外は人手不足！」
『ははは、大変ですね』
木嶋「相変わらず棒読みだな。そうだ食事の件考えてくれた？」
『木嶋先生』
木嶋「ん？」
『忙しくて寝不足と伺いました』
木嶋「まあね」
『寝不足なら寝ることをお勧めします。それでは、失礼します』
木嶋「ははは！やっぱ手厳しいね！」
久我はにっこり笑いお辞儀をして木嶋の横を通り過ぎる。
奈美「久我先生！木嶋先生と何話してたの？」
『脳外は人手不足』
奈美「へー。ってか木嶋先生って顔、性格、仕事良しの三拍子そろってるよね」
『たしかに。でも私は違うなー...ビビッとこないべ』
奈美「Aはたしかにタイプじゃなさそう」
『よくご存知で』
奈美「そういえば！Aの友達ってゲーム実況者だよね！最俺！」
『うん。それが？』
奈美「この間来た患者さんもゲーム実況やってるらしいの！」
『へー』
奈美「しかも可愛いの！なんでyoutubeやってる子って可愛い子多いのー！もー！」
『たしかに最近は可愛い子多いべ』
奈美「でも私の一番の推しはAだから安心して！」
『ははは！それは嬉しいべ！』
そのあと奈美は「申し送りの時間だ！」と小走りで廊下を走っていく。
久我は一人で廊下を歩きふと窓の外を見る。
そこには見知った男性と車いすに乗って笑っている女性がいた。
そして「久我先生」と呼ばれ、声のする方に反応すると看護師が立っていた。
看護師「何見てたんですか？あ、あの子最近入ってきた子ですよね」
『らしいですね』
看護師「あの男性もほぼ毎日お見舞いに来てて、カップルって羨ましいですよね」
『そうなんですか...自分もそういうの素敵だなって思いますよ』
看護師「あ！用事あったんです！302号室の方のことでいいですか？」
『大丈夫ですよ』
久我はもう一度窓の外を見てから看護師と病棟へ戻っていく。
女性「キヨ君いつもありがとう。編集とか撮影忙しいでしょ？」
キヨ「まあな、明日はフジとヒラも来れると思うから」
女性「ありがとう」
キヨ「別に」
女性「久しぶりのコラボ楽しみにしてたのにな」
キヨ「またすればいいだろ。じゃあ俺行くわ」
女性「また明日ね」
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作者名：みる | 作成日時：2021年4月1日 18時
