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春高の予選も始まり稲荷崎高校は順調に勝ち進んでいる。
治「優くん絶好調やな」
『まぁな！体軽すぎて怖いわ』
角「今日のあのプレーえぐかったよね」
銀「足で取るやつやろ！？めっちゃかっこええよな！」
侑「あー！あれすごかったな！めっちゃ正確やった！」
『俺の足が長くてほんまよかったわ』
角「え？」
『2回は言わん』
角「ごめん。ごめん。そうだね」
『嫌や〜。ほんまこいつ嫌や！』
治「優くんこっち来て」
『あ？』
一ノ瀬は治に手招きされたため近付くと後ろからハグをされる。
『何？疲れたん？』
治は顎を一ノ瀬の頭の上に置く。
治「んー。楽」
『お前...俺の身長縮んだらどないすんねん』
角「バグが起きてるって」
銀「バグ超してエラーや」
侑「おい！サム！ずるいで！！」
侑はぐいぐい治の腕を引っ張る。
北「優。スマホ鳴ってんで」
『え？まじ？』
一ノ瀬は北からスマホを受け取り画面を見る。
そこには【牛若】の文字。
治「誰？」
『牛若や。どうせ勝ったとかやろ』
そしてそのまま通話ボタンを押す。
『もしもーし』
牛「今、大丈夫か？」
『大丈夫やで』
牛「そうか」
『で？報告やろ？』
牛「あぁ....負けた」
『.....は？』
一ノ瀬の驚いた表情に周りは「どうした？」と気になっている様子だ。
『どこにや』
牛「烏野だ」
『....そっか...』
牛「全国で会えなくてすまない」
『いや...まぁ、うん』
牛「どうした？」
『ごめん。俺こういう時何て言ったらええのかわからへんねん』
牛「いつも通りでいい」
『まぁ...せやな』
牛「お前の所はどうだ？」
『ん。順調や。俺も絶好調やったし！スーパープレイ連発や！』
牛「そうか」
『あーあ！お前にも見せたりたかったわ！ほんまに！』
牛「...フッ。見たかったな」
一ノ瀬は少し寂しげな表情で話を続ける。
『お前とやりたかったわ』
牛「あぁ」
『主将...3年間お疲れさん』
牛「....」
『なんやねん。無言』
牛「実感が湧いてきただけだ...一ノ瀬」
『ん？』
牛「烏野に喰われるなよ」
『あん時の聞こえてたんか...逆に喰い散らかしたるわ』
牛「また連絡する」
『おう』
電話を切った後も一ノ瀬はしばらくスマホを眺めていた。
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作者名：みる | 作成日時：2022年12月5日 21時
