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春高が終わり数週間後―
赤「あかん。こことここがわからへん」
『どこ？』
赤「ここ。何でこの数式になんねん」
『あー、これムズイよな』
一ノ瀬は赤木と受験勉強に励んでいる。
『ここってこうするんちゃう？』
赤「あー！それや！お前何でそんな出来んねん」
『ふふーん。俺頭ええから！』
赤「腹立つ〜。あれ？今日信介たちは？」
『面接練習ちゃう？』
赤木は「そうか」と呟き。また目線をノートに移す。
すると廊下から「赤木先輩」と可愛らしい声が聞こえる。
『誰？』
赤「さぁ？」
『モテ男め。今月で何人目や』
赤「僻むなよ。かわええなぁ〜」
『やっかましい！はよ行け！しっし！』
赤木は一ノ瀬の頭を撫でてから女の子が居る方へ歩いていく。
一ノ瀬ははーっとため息をつき問題集を解き始める。
？「優くん」
急に名前を呼ばれたため一ノ瀬は顔を上げるとそこには―
『.....お前かい』
角「何不服そうな顔してんの？可愛い後輩が来てあげたのに」
『呼んでへん』
角「うわッ。冷たッ」
『何しれっと座ってんねん』
角「勉強？」
『受験生なもんで』
角「大学決まってるんでしょ？」
『まぁ、せやな』
角「ふーん」
角名はスマホを弄りながら相槌をうつ。
『お前興味ないやろ』
角「あるある。そういえば赤木さんは？」
『路成は呼び出し』
角「先生？女子？」
『女子』
角「赤木さんモテるねー、それに比べて...」
『なんや喧嘩うっとんのか？』
角「まだ何も言ってません」
『ほんまお前何しに来たん？』
一ノ瀬は『あー』と言いながら机に顔を伏せる。
角名はそんな彼を見てふっと口元を緩める。
角「顔がみたかった」
『へ？』
角「声が聞きたかった」
一ノ瀬はポカンとした表情で角名を見る。
角「会えないとなんか不安なんだよね」
角名は一ノ瀬の頬を触る。
角「思ったより寂しいのかも」
『お前...かわええとこあんねんな』
角「優くんのが可愛いよ」
『やかましい』
角「たまには部活に顔出してよ」
『あー、おう』
角「治寂しがってるよ」
『考えとくわ』
角「じゃッ」
角名の指が頬からするりと離れる。
そして去り際に「また来る」とだけ言い教室を去っていく。
一ノ瀬は先程の角名の発言を思い出し顔を赤く染める。
『なんやねん。あいつ....』
触れられたところに熱が集まるのを無視するように頭をブンブン振る一ノ瀬であった。
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作者名：みる | 作成日時：2022年12月5日 21時
