【HQ!!】稲荷崎の護り神② (ページ20)

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―烏野の宿

鵜「よしッ。じゃあ明日の話だ。今更現実は変わんねぇから言うけど...相手は今年のインターハイ準優勝チーム。兵庫県代表稲荷崎高校。まぁ、あれだ。優勝候補ってやつだ」

鵜飼は烏野の選手たちに向けて淡々と話していく。
そして尾白、角名、宮ツインズなどそれぞれの特徴を説明していく。

鵜「それに加えて...U-19の試合でも守護神としてチームに貢献した一ノ瀬」

日「一ノ瀬さん！」

鵜「あいつはバケモンだ」

西「....」

大「一ノ瀬の何か攻略法などって...」

鵜「それが...ねぇんだよな」

鵜飼は渋い顔をしながら頭を掻く。
すると黙っていた月島が口を開く。

月「一ノ瀬さんはスロースターターって聞きました」

鵜「たしかに序盤より中盤からの方が動きにキレが増すタイプだな」

月「最初の1セット目。こっちが取っておかないと不利になると思います」

山「ツッキーよく知ってるね！」

3年生、2年生、日向や影山も目を丸くして月島を見ている。

月「別に。黒尾さん達が言ってただけ」

鵜「まぁ、月島の言っていることは正しい。明日、引き締めてくぞ！」

全「「はい！！」」

田「ノヤっさん静かだけど大丈夫か？」

西「俺はずっとあの人に憧れてた」

田「一ノ瀬さんか？」

西「あの人は高校...いやバレー界でも最強だ。スーパーリベロっていうのが最もふさわしい」

選手たちは西谷の方を見ている。

西「だけど...絶対に勝つ」

旭「西谷なら大丈夫だよ」

西「おっす！！！」

西谷は旭の方を見て笑顔で返事をする。

武「大丈夫そうですね」

鵜「あぁ...でも明日にかけるしかないな」

―その頃

『もしもし』

牛「明日か」

『せやね。敵とってくんで』

牛「....」

『頑張れとか言えへんのですか～？』

牛「一ノ瀬」

『ん？』

牛「油断するなよ」

『せぇへんわ。油断なんかするわけないやろボケェ』

牛「...フッ。そうだな。お前は最強だ」

『知っとる』

牛「応援してる」

『んッ。ありがと。ほな、またな』

一ノ瀬は電話を切り、空を見上げる。

『烏野...食い散らかしたる』