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角「あれ？優くん帰るの？」
『おう』
角「風邪？」
『んッ。風邪ちゃう。俺は認めへん』
角「風邪じゃん。そっか。もう季節の変わり目か」
『俺の体調で四季感じるのなんなん？』
一ノ瀬はゴホゴホと咳をしながら眉間にしわを寄せる。
角「だって優くん1年に4回は体調崩すじゃん」
『体質ですぅ〜。ほらはよ部活いきぃ。しっし』
一ノ瀬は楽しそうに話す角名をあしらうように手で合図をする。
角「部活まであとちょっと時間あるし校門まで送っていくよ」
『いや、お前彼氏か』
角「優くんが彼女はちょっと嫌かな」
『俺かてお前が彼氏嫌や』
角「お互い様じゃん」
角名は靴を履き替え一ノ瀬と一緒に歩き出す。
角「優くんと2人ってあんまりなかったから新鮮」
『あー、いっつも双子と銀島おるもんな』
角「まぁ、同い年だし」
『誰かが単品でおることってあんまないよな。ハッピーセットなん？』
角「マ●クで例えるのやめてくれない？」
一ノ瀬は『すまん、すまん』と楽しそうに笑いながら言う。
角名はそんな彼の横顔を無言でじっと見る。
『ん？俺の顔になんかついとる？』
角「うん」
『え？なんやろ』
角「目と鼻と口」
『うわッ。なんやこいつ』
角「あと眉毛もか」
『お前も同じのついとるやろ』
角「ついてるけど...優くんと大きさ、形、配置も違うから」
『同じやったら怖いやろ』
角「優くんはさ...可愛いよね」
『はぁ？』
角「表情もコロコロ変わるし可愛いよ」
一ノ瀬は『やかましい』と平然を装いつつ耳まで赤くなっている。
角名はそれを見てふふっと笑う。
角「ねぇ、優くん」
『あ？』
角「さっきの彼氏だったらってやつ。治だったらどう？」
『は？なんで治？』
角「ん？俺が気になっただけ」
『考えたことあらへん』
角「そっ。ってかもう校門じゃん」
『角名あんがと。部活頑張りぃ』
角「うん」
『あッ。そういえば...おい。こっち来ぃ』
角「何？」
一ノ瀬はぐしゃっと角名の頭を撫でる。
『お前はかっこええよ』
じゃっとそれだけ言い彼は歩き始める。
角「....何なの。反則じゃん。ばーか」
角名は耳を赤くしその場にしゃがみ込む。
角「治...ごめん。応援出来ないかも」
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作者名：みる | 作成日時：2022年12月5日 21時
