その面影2 ページ7
「では…
お手並み拝見といきましょう」
「うむ」
テリーヌを切った途端ジワァァァと汁が溢れてきた
「………っ!」
恵はこれまでのことが頭に過った
「『E』だ
手が遅い」
それは実技での評価が毎度酷かったのだ
「下処理の時点で香りが落ちてる上に余熱で火が入り過ぎだ
君は前回もEだったな
こんな事では……」
「よくそんな完成度で提出したわね?」
「何でこんな奴がここに居るんだ」
「学園の価値(ブランド)が下がる…」
「田舎帰れよ」
先生と生徒からも好き放題に言われた恵
ドクンドクンと心臓の音が鳴る恵
パク…
パクッ
「………」
恵の鼓動が速くなる
「「「美味いっ!!!」」」
「!!」
一気に明るくなった水原たち
「パテにジャガイモ・人参・ズッキーニ等を練り込む7色の層を作り各層の野菜それぞれの旨さを活かすよう調理されている
よくこの仕事量をあの時間内でこなした物だ…」
「ソースは2種類…
甘酸っぱいすだちのジュレと紫蘇を中心に数種のハーブをペースト状にした清涼感のあるグリーンハーブソース!」
「へぇ…!
テリーヌをすだちや紫蘇で食べさせるなんて
これは面白い発想だね!」
「んむ〜!
香ばしくソテーしたズッキーニとハーブソースの組み合わせ…
爽やかで絶品です!」
モグモグ
「すだちとじんわり甘いトマトも…
良い相性…」
「なるほど!
7層のパテと2種類のソースの組み合わせで…
14種類もの味を楽しめるわけか!
色んなパターンを試したくなってワクワクしますね」
「うむ…
この彩り鮮やかな縞模様(ストライプ)が見た目のみならず味わいにも効果を発揮しているとは!!」
堂島はある層にあるものを見つけた
「おや…
このプチトマトは
“ドライトマト”だな…?
田所くん?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 89人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レンサ | 作成日時：2019年2月13日 0時
