躍る料理人1 ページ34
堂島はA会場にいてAを見ていた
「(残り時間はわずか
絶望的状況だ…
さて…
どうする幸平A!)」
『(まず一人!
一人目のお客をつかまえる!!
そこからー)』
Aは調理中にえりなのブースを見た
「何これー!?
すげぇ!!」
「エッグベネディクトっていうんだってー!」
「あっ…」
男の子の肘が女の子に当たり弾かれてしまいその女の子に目をつけたAはおいでと手招きした
『ほれほれ
見てごらんお嬢ちゃん
今からこの卵に魔法がかかるよー』
がばっ
『よっ』
「わ…」
フライパンの蓋を開けオムレツを空中に放りフワッと皿の上で2つ折りなり盛り付けた
「うわぁ…
いいにおい…」
さっきまで暗かった女の子はAのブースに駆け寄った
『おあがりよっ』
「ぷるぷるしてる…」
スプーンで掬いあげるとぷるぷるとオムレツが揺れていた
はむっ ジュワァァァァァ
「わ…!
美味しい〜!!
ふわふわの泡がとけてくみたいに…
口の中からなくなっちゃった!
な…
何で…?」
『魔法みたいでしょう?』
「?
なになに?
普通のオムレツじゃないの…?」
Aのブースに新たに2人の女性給仕がやって来てオムレツを食べた
はむっ シュワ シュワ シュワ
「何これ…!
風味はオムレツなのに食感はお菓子のスフレみたい!
こんな品ができるなんて…」
「わっ!!
ほら見てこれ!!
外側は焼かれて中身はふわふわの泡だからスプーンで押したら反発するの…
すごい弾力!」
ぽよんぽよんと反発するオムレツ
それに便乗して次々に人がAのブースにやってきた
『(よし…
客が集まってきた
このチャンスを逃すわけにはいかない!!
コンロ4口じゃ間に合わない
8口!!)』
Aはコンロの数を増やした
「(……!!
まだ180食近くもあるのよ!?
それをあと30分で…!?)」
89人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:レンサ | 作成日時:2019年2月13日 0時